2019 Fiscal Year Annual Research Report
モデル予測政策決定のためのエージェントベース・データ同化モデル
Project/Area Number |
17H02035
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
倉橋 節也 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (40431663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 健一 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (40344858)
津田 和彦 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (50302378)
高橋 大志 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (60420478)
寺野 隆雄 千葉商科大学, 基盤教育機構, 教授 (20227523)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シミュレーション / ゲーミング / パラメータ推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,開発してきた逆シミュレーション学習によるエージェントモデルのパラメータ推定手法の手法を,実際の社会システムを対象に適用事例を作っていくことを主に行った. 1)感染症モデル:新型コロナウイルスの広がりに対して,効果的な感染予防策の組み合わせを調べることを目的に,COVID-19感染モデルを構築した.感染プロセスをエージェントベースモデルに実装し,一般の市民や企業,学校などにおいて対策が可能な予防策の有効性についての比較検討を行った. 2)都市動態モデル:スプロール化した都市の,コンパクトな都市構造への改善を目的とした都市政策の効果を検証した.都市居住者の自律的な行動に基づく都市動態のエージェントベースシミュレーションを実行し,その成立メカニズムを明らかにした.都市のスプロールは堅固で不可逆的であり,多中心型コンパクトシティを維持可能であった政策もってしてもくつがえすことは困難であること,トラムの導入は,トラム利用前後の歩行を誘導するような施策と組み合わされることで初めて 大きな効果を発揮することなどを見出した. 3)組織多様性モデル:少子高齢化が進む日本では,労働力を確保するために働き方,働く人が多様化している.多様性を定量化するフォールトラインの考え方に基づき,日本の組織を対象にした実態調査の結果を用いて,組織の多様性と成果の関係をエージェント・ベースモデルによって明らかにした.多様性はフォールトラインの強さとサブグループ数によって成果への影響が異なることがが明らかになった. 4)変数選択モデル:近年、大量かつ複雑なデータの獲得と蓄積が進み,重要な変数を選択する手法の重要性が高まっている.そこで,実数値遺伝的アルゴリズムを用いて,同一世代内の遺伝子の分散を活用した変数選択手法を提案し,パラメータ推定と変数選択の両方に対応できることに成功した,
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エージェントモデルのパラメータ推定手法の手法を,実際の社会システムを対象に適用事例を作っていくことを主に行い,1)感染症モデル,2)都市動態モデル,3)組織多様性モデルについて検討した,また,複雑システムにおけるモデルパラメータの推定と変数選択を効率的に行うためのアルゴリズムについての研究も実施した. 学習アルゴリズムによるパラメータ推定手法として,実数値遺伝的アルゴリズムを用いた変数選択手法をによるエージェントモデルのパラメータ推定手法の開発を行った.また,実証データに基づく社会システム,経営システムのモデル構築を行った.加えて,電力モデルに関して,日本オペレーションズ・リサーチ学会「エネルギーミックスの諸問題とOR」研究会で講演を行い,他分野からの意見聴取を実施した, 実問題への適用に関しては,M&Aを対象としたビジネスゲームを構築し,企業人を対象に実験を実施することができた.その結果,合理的な意思決定ができない状況が再現でき,シミュレーションと人間が参加するゲーミングモデルとの結合の重要性を理解することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
1)日本国内の感染者数推移が日々報告されている「新型コロナウイルス (COVID-19)におけるPCR検査の効果推定について,またイベント自粛や都市封鎖の効果について,新型感染症およびエボラ出血熱の医療政策ゲームを,参加型モデルに拡張し、国際協調による政策効果を検証する.2)電力先物市場を中心に,発電事業者,電力需要者,消費者・オフィス・企業,取引市場といったプレイヤーが,自律・人間エージェントとして参加する取引市場のレギュレーション政策効果の実験を実施する.また,発電事業者・需要家,電力価格,取引量などの意思決定モデルを構築して,それらの政策効果を検証する.これらは,フローニンゲン大学との共同研究で実証済みのモデルを拡張したものを使用する,3)組織における効果的なマネジメント方法について,組織構成員からの実データ収集とネットワーク分析の手法を組み合わせたモデルベースマネジメントの手法を構築する.
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Research Products
(7 results)