2018 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災アーカイブから自然災害アーカイブへの転換に関する研究
Project/Area Number |
17H02065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴山 明寛 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80455451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 秀一 東北大学, 災害科学国際研究所, シニア研究員 (30639878)
蝦名 裕一 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (70585869)
ボレー セバスチャン 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (70751676)
有働 恵子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (80371780)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | デジタルアーカイブ / 画像認識 / メタデータスキーマ / 自然災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,震災アーカイブから自然災害アーカイブへの転換を図るために,膨大な資料の自動分類と検索方法を検討する.具体的には,(3)自然災害資料の整理分類の自動分類化方法,(4)膨大な自然災害資料を効率的かつ効果的に探し出すための手法について研究を実施した.昨年度に実施した(1)自然災害に関係する歴史災害資料及び自然災害資料の整理分類方法,及び(2)自然災害全般のメタデータスキーマの設計を引き続き行った. (3)自然災害資料の整理分類の自動分類化方法については,画像記録の自動分類方法の確立に着手し,オープンソースと商用の2つの画像認識技術の比較検討を行った.その際に画像認識用の教師データについては,2011年東日本大震災の記録を中心に用いて検証を行い,ある程度の精度で認識することができたが,分類が不十分な点も確認することができた. (4)膨大な自然災害資料を効率的かつ効果的に探し出すための手法については,研究課題(1)の整理分類を中心にして手法の検討を行った.また,近年の自然災害(2016年熊本地震や2018年北海道胆振東部地震など)の自然災害資料をまとめて,時間軸でどのように変化するかを調査・検討を行った. (1)自然災害に関係する歴史災害資料及び自然災害資料の整理分類方法については,本年度に発生した2018年北海道胆振東部地震の激震地以外での大規模停電による副次的な被害などについても資料の収集を実施し,さらに西日本豪雨などの整理分類を行った.(5)自然災害アーカイブのパイロットシステムの構築と検証については,構築に必要なシステム設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
資料を効率的に探し出すための手法の検討の過程で,昨年に発生した各種災害では、復旧の収束以前に新たな災害が発生するなどの連続性による長期化,激震地以外での大規模停電による副次的な被害など,これまでの災害とは異なる傾向が見られたため,時間軸と空間軸のみで分類することが困難だと分かった.そこで,全面的に分類方法を見直すために各種災害の情報を新たに収集する必要性が生じたため研究計画が遅延した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度については,本年度で課題となった復旧の収束以前に新たな災害が発生するなどの連続性による長期化,激震地以外での大規模停電による副次的な被害など,これまでの災害とは異なる傾向について再度分析を行う.さらに,既存の資料では,風水害の資料が少ないため,さらに風水害の資料整理を実施する.また,自然災害アーカイブのパイロットシステムの構築についても構築を早急に進める.
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