2017 Fiscal Year Annual Research Report
Design of a stent with used for the digestive system to prevent the restenosis and cancer cell growth
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17H02086
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 賢 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (00322850)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再狭窄 / 消化器ステント / スラッジ形成 / 循環試験 / 細菌付着 / タンパク質吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
切除不能悪性胆道狭窄への緩和治療としてプラスチックステントや自己拡張型金属ステント(Self-expandable metallic stents; SEMS)を用いて狭窄部の拡張並びに胆汁の整流化が行われてきたが、中下部悪性胆道狭窄ではプラスチックステントに比べて金属ステントの方が開存日数は長く 、さらに金属ステントの周りにカバー膜を付与したカバードステント(Covered SEMS)の方が開存日数は長いことが分かり 、中下部悪性胆道狭窄ではカバードステントを用いることが主流になりつつある。しかし、カバードステントは合併症が多く発生し、特に一番多い合併症として再閉塞が挙げられており、留置されたステントの約25%で再閉塞が発生し、その内の約80%が胆泥(スラッジ)や食物残渣由来のバイオフィルム形成により再閉塞する。とりわけ、早期胆管閉塞として3ヵ月以内で閉塞するケースが多くあり、原因として主にスラッジが形成されステント内壁面へ付着することにより発生している。これらのステント再閉塞が発生した場合は、内管のクリ-ニングや抜去交換などで対処を行っているが、再度内視鏡処置が必要となり、処置時に出血を伴う場合があるため危険な処置が必要になるなど、著しく患者様のQuality of life (QOL) を低下させる課題がある。本研究では、早期胆管閉塞の主要因となっているスラッジについて抑制可能な方法を探索するために、より生体系に近い環境での実験条件を確立した。ウシ胆汁末を用いた循環試験を実施し、続いて実際のヒト胆汁を用いた循環試験を行うことで実臨床に近い条件下での効果確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
播種溶液として、適切な効果を確認するために、以下の溶液組成が適切であることを明らかにできた。胆汁中タンパク質の吸着挙動を調べるために、胆汁末(和光純薬工業㈱製 CAS NO. 8008-63-7)を使用し、純水100mlに胆汁末を0.8g溶解させて、飽和水溶液(8mg/ml)を調整することで疑似胆汁溶液の作製を行った。この胆汁末はオックスバイルとも呼ばれ、ウシの胆汁を粉末にしたものであり、本品はヒト胆汁の主成分と同じコール酸を40.0%以上(吸光度分析)含有している。その後、PBS(Phosphate Buffered Salts:T900, タカラバイオ社製)溶液で1/10に希釈し、800 [μg/mL] に調整し、疑似胆汁溶液とした。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した溶液での実験に用いるカバードステントは、カバードバイルラッシュ(パイオラックスメディカルデバイス)で使用しているニッケルチタン合金(NiTi)製の両端ダンベル型ステント(φ10㎜x80㎜)を用い、 Siliconeカバードステントについては、ステントを芯棒に取り付け、シリコーン溶液(MED4755)ステントをディップし、その後メーカー使用方法に従って加熱乾燥を行い作製する。PU製カバードステントは、ステントを芯棒に取り付け、湿度7%以下の環境下でPU溶液(Tecothane TT-1095A)8wt%-THF溶液にステントをディップさせ乾燥を行って作製する。
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