2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of exercise training on organ damage and fibrosis
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17H02119
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伊藤 修 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (00361072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上月 正博 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70234698)
室谷 嘉一 東北医科薬科大学, 医学部, 准教授 (70754943)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 循環器・高血圧 / 腎臓 / ストレス / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
高フルクトース(HFr)摂取は、高インスリン血症・高トリグセライド(TG)血症・高尿酸血症・高血圧等のメタボリックシンドローム(MetS)を惹起する。長期的運動による臓器障害抑制効果の機序を組織線維化やコラーゲン代謝を中心に解明するため、通常食およびHFr摂取ラットにおける長期的運動による腎内脂肪酸代謝への影響を検討した。雄性Sprague-Dawleyラットを、通常食餌もしくは60%フルクトース食餌を投与し、有酸素運動レベルのトレッドミル運動を実施した。12週間後、血液・尿パラメータ、腎組織像、腎TG含有量および脂肪酸代謝酵素の腎内発現を検討した。HFr摂取はMetSを発症させ、血清クレアチニンや糸球体濾過量には影響を与えなかったが、尿アルブミン尿、糸球体上皮障害、腎間質線維化を惹起、腎TG含有量を増加させた。通常食摂取下では、長期的運動は血圧、血液・尿、腎組織像、腎TG含有量に影響を与えなかったが、HFr摂取下では、長期的運動はMetSを軽減、アルブミン尿、糸球体上皮障害、腎間質線維化、腎TG含有量増加を抑制した。通常食とHFr摂取下のどちらでも、長期的運動は脂肪酸β酸化酵素群とその転写因子PPARαやPGC-1αの発現を増加させた。また、通常食摂取下では長期的運動は脂肪酸合成酵素群の発現を増加させた一方、HFr摂取下では長期的運動は脂肪酸合成酵素群の発現を減少させた。以上の結果から、MetSの有無に関わらず、長期的運動は脂肪酸β酸化酵素とその転写因子の腎内発現を増加させることが明らかになった。HFr摂取ラットにおいて、長期的運動はMetSや腎障害を軽減し、この長期的運動の腎保護効果には、腎内脂肪酸代謝やミトコンドリア機能の改善が関与している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主たる目的である長期的運動の臓器障害・線維化への有効性の機序の解明に関して、高フルクトース摂取ラットにおける長期的運動の腎線維化抑制効果の機序には、腎内脂肪酸代謝やミトコンドリア機能の改善の改善の関与を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度の高フルクトース摂取ラットにおける長期的運動の臓器保護効果の機序の詳細を解明すると共に、平成31年度にフルクトース摂取下のDahl食塩感受性ラットおいても長期的運動の臓器保護効果やその機序を明らかにしていく予定である。
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