2018 Fiscal Year Annual Research Report
視覚認知障害解消のための画像変換手法を用いたIot型視覚呈示システムの開発研究
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17H02132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 敏明 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任教授 (40248670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 士雄 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40760260)
泉 隆 東海大学, 基盤工学部, 教授 (80193374)
巖淵 守 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80335710)
白銀 暁 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (90404764)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 福祉支援工学 / 3次元視覚情報呈示 / 視覚認知障害 / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにHMDを用いた3次元空間での検査・訓練手法を確立した。2018年度は動的歩行支援のためのセンサを搭載した3D-HMDシステムの開発とその訓練効果検証を実施した。具体的には、開発したHMDを用いた上下肢訓練を患者に使用してもらいその効果を検証実施した。訓練用ゲームとしては3次元様立方体に触れる動作を実施し、患者数名において麻痺側の運動促進効果を主観アンケートと客観データ(運動遂行時間、触れた立方体数得点、運動軌跡など)を得た。結果として、患者はヴァーチャル(VR )酔い等の支障はなく円滑にゲームを遂行でき3次元様の麻痺側上下肢機能のスコア化の可能性を見いだした。正しい運動遂行においては視覚提示とビープ音でフィードバック機能を加えた。今後は、さらにシステムとしてのユーザビリティに関する技術課題を明確する。さらに、動的歩行支援HMD製作として、IMUセンサとスマートフォンを用いた新たな歩行計測アプリの開発し、HMDとの同期を試行した。歩行時の重心移動や下肢の運動を定量的に計測することが可能である.HMD・スマートフォン内蔵のカメラ映像とセンサ,および外部加速度センサを利用している.HMD・スマートフォンの画面では,スマートフォンのカメラで撮影されている現実空間の映像と,VR技術により両下肢の運動の様子や歩行の軌跡が現実映像に重ね合わせHMD上に表示可能とした.本件に関しては臨床データを増やすことにより特許化を目指す。加えて、収集したセンサデータを用いて,オフラインでデータの詳細な分析(重心の移動,歩行軌跡,歩幅,歩行速度,下肢の支持時間など)が可能となる.本システムの運用試験を高齢者10名、患者2名に実施し、短距離では支障なく、患者の場合は平行棒内もしくは要監視で運用可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたHMDを用いた3次元様リハビリゲームの効果検証を実施し、HMDでの歩行支援要システムを構築した、昨年に加え視覚認知障害者複数名のデータを収集し、本装置の効果を検証した。定量的データとして運動軌跡、運動遂行時間、正答率などで定量化を試行しよる数値化を試みた。加えて動的歩行支援のシステムを構築した。2019年度は臨床データを増やし、その効果検証とワイヤレス化を予定する。以上より、現時点において、20180年度に予定した研究計画に関して9割以上の成果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は動的歩行支援のためのセンサを搭載した3D-HMDシステムの開発とその効果検証を実施した。2019年度は、2018年度で構築したHMD に搭載された使用機器・センサ部分(CCD カメラ、HMD ディスプレイ、ジャイロ、加速度)を用いて、ワイヤレス化を行い、PC およびスマートフォン・HMDとのデータ処理、画像処理を行い、被験者負担を軽減し、データ保管を可能とする。これにより、本人、家族、医療スタッフ等での情報の共有化し安全安心なシステムをIoTシステムとして構築する。実験手法は昨年度と同様とするが、患者の状態によっては、屋外でのフィールド実験を追加し無線化、ワイヤレス化した本システムの将来の実用化にむけた課題を明らかとする。屋外に関しては日常生活活動(ADL)項目として、基本的ADL(BADL)および手段的ADL(IADL)における移動動作項目を中心に検証するさらに、ユーザビリティ調査を行い、本システムの最終版を製作する。なお、現状では研究を遂行するうえで対応策を行うような問題点は見当たらない。
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Research Products
(10 results)