2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of the mechanism for Japanese paradox regarding ischemic heart disease by using microRNA
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17H02184
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
若林 一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70220829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 良二 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00461088)
大門 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40372156)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 虚血性心疾患 / 人種差 / 動脈硬化 / 赤血球 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の研究では、虚血性心疾患と関連する12種類のマイクロRNA(miRNA)の血中レベルに日欧間で有意な差を認めた。これらのmiRNAの中で、miR-2861以外のmiRNAの血中レベルのペアの多くは互いに有意な相関を示し、miR-16-5p、miR-451a、miR-486-5p、miR-92a-3pは赤血球に高発現していることが知られている。そこで、本研究の日本人対象者の血中miRNAの解析結果を用いて、赤血球に高発現している既知の11種類のmiRNAレベルの相関分析を実施した。その結果、全55ペアの中で31ペアに有意な相関を認め、主成分分析の結果、miR-16-5p、miR-451a、miR-486-5p、miR-92a-3pが第1主成分であることが判明した。このうち、特にmiR-16-5pとmiR-451aおよびmiR-486-5pとmiR-92a-3pの発現レベル間には非常に強い相関を認めた。これらの結果から、虚血性心疾患など種々の疾患の血中バイオマーカーとして赤血球由来のmiRNAを考慮する場合、赤血球の変化や異常の影響を十分に考慮すべきことを警鐘した。 血管平滑筋細胞の増殖型から収縮型への形質転換は、動脈硬化の病態における重要なメカニズムであるが、miR-197は動脈平滑筋細胞の形質転換の調節因子であることが報告されている。また、実際に血中miR-197レベルが高いほど人ほど将来の冠動脈疾患のリスクが高くなることが報告されている。そこで、培養ヒト冠動脈平滑筋細胞を用いて検討したところ、増殖型細胞では収縮型細胞に比べてmiR-197-3pの発現量は高かった。一方、冠動脈平滑筋細胞内へmiR-197-3pのアンチセンス分子を導入したが、細胞増殖能に影響はみられなかった。したがって、miR-197-3pは平滑筋細胞増殖の調節因子ではないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までには遅れていた培養細胞を用いた実験研究が軌道に乗り進行している。また、これまでの研究結果を応用して新知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
実験研究を推進するとともに、バイオインフォマティクスを活用した研究を実施する。
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Research Products
(3 results)