2018 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度血漿分析技術とin silico 探索法による新規ペプチドホルモンの探索
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17H02206
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小寺 義男 北里大学, 理学部, 教授 (60265733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七里 眞義 北里大学, 医学部, 教授 (10206097)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 生理活性ペプチド / ペプチド―ム / 血漿 / native peptide |
Outline of Annual Research Achievements |
以前我々の開発したペプチド抽出法に比べて分子量5000以下のペプチドの濃縮効率を上げることに成功した。この方法と血中のIgGを濃縮するためのプロテインA磁気ビーズを組み合わせて、血中のIgGに結合したペプチドを抽出する方法を開発した。この方法を健常者血漿に応用した結果、44タンパク質に由来する低分子量タンパク質ならびにペプチドの検出に成功し、その中の21種類が世界ヒトプロテオーム機構が報告している Human Plasma Protein Draft 2017(血漿中に確実に存在する3,509種類のタンパク質)に含まれず、従来法では検出できないタンパク質の断片であった。さらに、この方法を用いてACTH単独欠損症患者血漿8例と健常者血漿6例を分析した結果、18ペプチドについてACTH単独欠損症患者特異的に検出された。この成果を査読付きの雑誌に発表した。また、この方法で検出された1ペプチドについて特許出願を行った。 血漿中で検出した約18000種類のペプチド(血漿ペプチドライブラリ)の中の約300種類のペプチドについて、各種活性を検討した結果、6種類の生理活性を持つ可能性の高いペプチドを見出した。これらのペプチドについて民間企業と新規受容体医薬品候補の創出を目的に、2019年2月1日付で技術提携契約を締結し、共同研究を開始した(プレスリリース:https://research-er.jp/articles/view/78764)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要に記載の通り、より高効率に血中の native peptide を抽出するための要素技術と血中IgGに結合した低分子量タンパク質ならびにペプチドを分析する技術を確立した。また、生理活性を有する可能性の高い6種類のペプチドを提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り高効率なペプチド抽出法の開発の目処が立ったが、さらに高感度化を実現するためのに有効なペプチド分画法を確立する。また、上記6種類に続いて生理活性を有する可能性の高いペプチド候補の提案を行う。
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Research Products
(9 results)