2019 Fiscal Year Annual Research Report
Socialist culture: Northeast Asia and DPRK
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17H02240
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
前田 しほ 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (70455616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 陽子 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (20447147)
喜多 恵美子 大谷大学, 文学部, 教授 (30410971)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 社会主義 / 労働英雄 / 女性 / 映画 / 記念碑 / 墓地 / 儒教 / プロパガンダ |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目である2019年度は、調査実施・分析を主要な活動と位置づけていた。そのため、引き続き国内外での現地調査を重点的に行った。DPRK調査は他費および私費で3件実施された。比較研究のため、日本のほか、韓国、中国、フランス、ドイツ、ルーマニア、ロシア、トルクメニスタン、アゼルバイジャン、モルドヴァの計9か国で現地調査・資料収集が実施された。 これまでの調査研究を基に、国内外での口頭発表が精力的に行われた。チェコ・中国の国際研究集会での発表が2件、国内での発表が5件、また後述の本研究プロジェクト主催の研究会での発表が5件となる。 研究組織活動としては研究集会3件組織した。1月23日に韓国から海外連携研究者を招聘し、講演会(大谷大学会場)を主催した。白頭山の風景画によるDPRKのナショナル・アイデンティティ形成が指摘され、公的プロパガンダの研究が急務であることを示唆する内容であった。1月24日は同志社大学人文科学研究所第20期部門研究(第6研究)「体制形成期北朝鮮の文化史の学際的研究」主催の第四回研究会(同志社大学会場)を共催し、科研メンバーを派遣した。2月14日には、朝鮮問題研究センター・朝鮮文化研究室と前述の「体制形成期北朝鮮の文化史の学際的研究」との共催で研究会(朝鮮大学校会場)を主催した。上記の共催組織からは司会者や聴衆約30名も参加し、活発な討論が展開された。また今後の研究活動についても打ち合わせを行い、全体的な方向性が確認された。 このように、科研費メンバー内での協力体制や知見の共有が順調に進展している。また外部の研究組織・コミュニティとの連携、海外の研究者との交流も進み、国内外の研究者との協力体制が構築されつつある。 また、有望な若手研究者3名に対し、調査、国際学会発表、研究会発表・参加の旅費支援及び研究発表の機会提供などの研究活動支援を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、国内外での調査を進めた。蓄積された資料をもとに、分析・考察を進め、研究会や国内外の学会で発表し、議論を行った。また海外の国際研究集会での発表や外部の研究コミュニティに招聘されての研究発表が盛んに行われた。 外部の研究機関や研究プロジェクトとの協業体制が想定以上に進んでいる。研究者の分野横断的な交流の場を提供するという本科研の試みは、研究者ネットワークの広がりという形で成果を見せている。 しかしながら、3月後半に実施予定であったロシア文献調査が、新型コロナウイルス関係の混乱のため、中止となった。この調査は混乱の収束を待って、次年度に実施する予定である。 このため、全体的な進捗状況としては、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、研究の統合・体系化と位置づけている。本研究課題においては、各自が専門分野・研究対象国を調査するだけでなく、複数のメンバーによる分野横断的な共同調査を積極的に進めてきた。当初の予定では、今年度は、全メンバーによる集団調査を企画しており、予算も計上していた。感染症の蔓延による渡航制限が解除され、安全性が確保されることを前提に、ロシアを第一候補として、調査を予定している。 各自が調査の成果を取りまとめ、国内外の研究集会で発表し、さらに論文としての公刊をめざす。それをメンバー間で共有するため、研究会を開催し、議論の場を設ける。この際、外部の研究機関・プロジェクトとも連携し、研究コミュニティの拡大を心掛ける。海外からも研究者を招聘し、国際的な協業体制の構築にも取り組む。 今年度の研究活動は、状況次第で中止するものがでてくることが予想されるので、柔軟に取り組みたいと考えている。
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Research Products
(18 results)