2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H02298
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
皿井 舞 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (80392546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (00416265)
神居 文彰 佛教大学, 公私立大学の部局等, 非常勤講師 (10411117)
早川 泰弘 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 部長等 (20290869)
城野 誠冶 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化財情報資料部, 専門職員 (70470028)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 平等院鳳凰堂 / 平安仏画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、平等院鳳凰堂内の修理進捗状況などに鑑みながら3回にわたって調査をおこなった。①2019年1月11日~13日、堂内の建造物彩色(鳳凰堂北側長押ほか)の撮影をした。②2019年2月7日~10日、堂内の来迎柱の中層部分を360度全体を撮影した。③2019年3月14日~17日、2月に撮影した来迎柱の撮影画像をもとに部分のマクロ撮影を行った。 来迎柱の西側については、光が当たらないこともあり、彩色の残りが非常に良い部分である。しかしながらよく図容が残っている部分は、須弥壇上で、なおかつかなり高所になり、これまで存在は知られていたが、十分に世の中に知られてきたとはいいがたい。平等院の包括的な報告書である『平等院大観』にも一部写真は掲載されているが、網羅的に提示されていることはなかったといってよい。今回の撮影ではその図容全体を把握できるもので、なおかつ残りのよい部分のマクロ撮影ができたことは、制作年代のはっきりする平安絵画の資料を増やすことにもつながり、今後の調査研究の共有は非常に有意義なものになると思われる。 本年度は本科研と関連する研究として、研究責任者が所属する機関所蔵の平安仏画の調査撮影を同時並行でおこなっていたこともあり、鳳凰堂来迎壁の撮影意義などがよりいっそう明らかにすることができた点で意義深いことといえよう。 こうした実地調査と並行して、本年度も昨年度に引き続き、種々データ整理を専門にしている人物に協力をあおいでデータ整理を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は、本務である10月に開幕する展覧会ほか複数の展覧会を担当しており、想定外のことが多数おこったために、本調査に赴くための十分な時間を確保することができなかった。また修理のため鳳凰堂内に設置されている足場上での作業は危険をともなうため、安全性を最優先にして予定していた作業をとりやめざるをえないこともあったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、足場の状況などが刻々と変わるので、それにあわせて作業が進められるように、平等院学芸員とうまく連携をとれるようこころがける。また天井まで足場がかけられているため、天井彩色が撮影できるかどうかなども含めて早めの検証と実施可能性をさぐり、安全性を確保しながら、できる限り作業を速やかに進められるようにしたい。
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Research Products
(2 results)