2017 Fiscal Year Annual Research Report
Contemporary English Lierature in India: In the Social Transformation and globalization of India
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17H02318
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
難波 美和子 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (50336971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 素世子 東海学園大学, 心理学部, 教授 (70191046)
小松 久恵 追手門学院大学, 国際教養学部, 講師 (80552306)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インドの文学 / 英語文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度には、資料収集が予定通りに進まなかったことがきっかけとなり、その後の研究計画が停滞した。資料取集と並行して招聘者との来日交渉、講演会の準備などを行う予定であったが、予算が確定してからの年度内の来日準備は困難となり、次年度に繰り延べることとなった。年度後半に共同研究メンバーと相談を行い、2017年度の招聘者を2018年度に迎え、同一年度に2件の招聘と講演事業を行うことを決定した。2017年度末(2018年3月)にインド(デリー)において、招聘予定者Devalina Mookerjee氏に来日講演の依頼を行い、2018年度の研究計画を具体的に進めた。 2018年5月に研究メンバーによる打ち合わせを行い、両年度分の予定を確認、講演会開催の準備を開始した。9月の訪印調査において、資料取集並びにMookerjee氏との打ち合わせを行った。併せて2018年度事業における招聘予定者との打ち合わせも行っている。 Mookerjee氏により本研究グループはインドにおける出版事情、特に英語出版物について有意義な情報提供を得た。コルカタを中心とするベンガル語圏においては、伝統的にベンガル語文学の需要が高いが、英語も出版物の柱となっている。 Mookerjee氏は10月21日の本科研グループと追手門学院大学・茨木市との共催による「インド社会と村上春樹」、10月24日に本科研グループと大倉山記念先進文化研究所との共催による「タゴールから村上春樹へ」のいずれも一般向け講演会を行い、その間に南アジア研究者ほかとの研究交流を行った。Mookerjee氏の来日講演を契機として、インドにおける文学の状況についての知識を社会に提供することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度から2018年度に延期した事業(招聘者による講演)は順調に実施された。 これにより、現代インドの文学状況の理解とその中における英語文学への認識が研究グループ内で深化した。それにとどまらず、一般向け講演会を通じて、インドの文学を紹介することができた。これは、現代インドの英語文学について、日本での理解を進めるだけでなく、広くインドの文化に関する日本の理解を広げることにも役立ったと考える。講演会は期待以上の成果を上げている。 一方で、2017年度から引き続き行っている資料収集については、かなり進展しているが、個々の作品に関する分析には不十分な点があり、今後の課題となっている。その中では、インドの英語文化の多様化を表すものとして、サイエンス・フィクションあるいはファンタジー領域への展開に注目し、資料収集をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度の事業を2018年度事業と合わせて達成できた。したがって、2018年の成果と合わせ、インドの英語文学の現状理解と背景に焦点を合わせた研究を進める。 2018年度の事業は、インドの英語文学を理解する上で、ネイティブ言語の状況に注目した。ヒンディー語作家を招聘し、その活動と作家としての背景を理解すること、そしてヒンディー語文学を一般に紹介した。引き続き、英語文学とネイティブ諸語の文学との関係、英語文学の多様化に関心を持って資料収集を行う。文学領域の多様化については、ジャンルの広まりやインド独自の発展に注意を払っていく。 2019年度には、引き続き英語文学とネイティブ諸言語との関係性の理解、英語文学の多様化の展開をまとめる。英語文学の理解の深化のため、インドにおける英文学教育の歴史と現状を把握し、英語文学に対する認識の変化に注目する。このために、インドにおいて英文学教育に携わる研究者を招聘し、日本の英文学研究者と研究交流を行う。日本の英文学研究者にインドの英語文学と英文学研究、教育に関する情報を提供し、イギリス文学の周辺としてだけではない、主体的なインドの英語文学を認識してもらいたい。
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Research Products
(1 results)