2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of ICNALE-Dialogue: Analysis of L2 English Learners' Spoken Dialogues
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17H02360
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 慎一郎 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (90320994)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 学習者コーパス / 発話 / インタラクション / 英語 / アジア圏 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度中に,本科研プロジェクトに関連して,下記の進捗・成果を得た。 1)英語母語話者と,日本・中国(国内収集)・香港・タイ・台湾・インドネシア・フィリピンの7か国・地域の大学生のデータ収集を完了。合計約100万語。2)上記の書き起こしと検査を行い,ICNALE Spoken Baby 0.3として公開(ダウンロード版)。3)ICNALE Onlineの一部として,テキストと動画の連動検索を可能にする新しい検索システムを開発し,英語母語話者と日本人大学生データを搭載して公開。4)研究書4冊(共著)を刊行(『新:日本語教育のためのコーパス調査入門』『言語分析のフロンティア』『レキシコン研究の新たなアプローチ』『探究の力を育む課題研究』)。5)論文6本(単著)を刊行(「S-genitives and Of-genitives Seen in English Native/ Non-native Speakers’ Essays: A Study Based on the ICNALE Written Essays」,「Comparison of three kinds of alternative essay-rating methods to the ESL Composition Profile」,「A Critical Survey of JACET English Word Lists: Reconsideration of the Validity of the Frequency Integration Method」,「「わたしはマイク・ミラーです」を再考する:日本語コーパスの教育応用をめぐって」,「中国語母語の日本語学習者の発話における使用語彙の変遷:発達段階の差と個体の差をめぐって」,「現代日本語発話における男女話者による文末詞の使用―BTSJコーパスを用いた大学生発話の計量分析―」)。6)教材・辞書等3冊(共著)を刊行。 以上,およそ当初の予定通りにプロジェクトを進行させることができた。なお,詳細なプロジェクトの進展状況については,http://iskwshin.blogspot.com/2017/05/201751-31_20.html でも報告しており,あわせて確認いただきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)本プロジェクトでは,ICNALEの全体設計方針に従い,英語母語話者と,アジア圏の10か国・地域において学習者対象のL2英語インタビューを実施し,学習者の産出を収集する。このうち,2018年度終了時点で,英語母語話者に加え,日本・中国(国内収集)・香港・タイ・台湾・インドネシア・フィリピンの7か国・地域でのデータ収集が完了した。最終年度はシンガポール・韓国・パキスタンの3か国でデータ収集を実施する予定である。このうち,パキスタンと韓国については協力者がすでに作業に着手しており,2019年度末までにデータ収集は完了できるよていである。 2)本プロジェクトでは,得られたデータをダウンロード版として提供することに加え,幅広いユーザーを対象として開発されたICNALE Onlineシステムでも公開することとしている。ビデオとテキストを連動して検索できるシステムは従来ほとんどなかったが,2018年度中にシステムの設計と開発・実装を終え,一部サンプルデータを添えて公開にこぎつけている。 以上の2点より,「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集に関しては,まず,韓国,パキスタン,シンガポールの3か国での作業を加速させる。このうち,韓国についてはこれまでに取れているデータ数が少なく,また,シンガポールについては当初予定していた研究者の辞退などの事情があるため,これら2国については適切な対処を行い,予定通りのデータ収集を進める予定である。なお,中国については,海外協力者の選定難航したことから,日本国内に留学している中国人を対象として先行的にデータ収集を行った。しかし,海外データの性質をそろえるためには本国でのデータ収集がより望ましい。そこで,中国についても,新たな協力者を確保し,可能なかぎり,中国国内での追加データ収集を実施する予定である。 研究成果の公表については,20109年9月に国際シンポジウムを開催予定であるほか,英文による研究書の執筆に着手予定である。
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