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2018 Fiscal Year Annual Research Report

図像資料分析による漢代神仙思想の歴史的展開の研究

Research Project

Project/Area Number 17H02419
Research InstitutionOtemae University

Principal Investigator

森下 章司  大手前大学, 総合文化学部, 教授 (00210162)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 黄 暁芬  東亜大学, 人間科学部, 教授 (20330722)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords漢代 / 神仙思想 / 図像 / 画像石 / 銅鏡
Outline of Annual Research Achievements

前年度の実地調査において収集した山東地方の画像石資料を基礎として、出版物に掲載された画像石図像のスキャン作業と整理作業を本年度は特に推進し、大量の資料のデータベース化をはかった。主要な画像石の著作物に関してはおおむねデジタルデータ化を完了することができた。その整理作業を通じ、山東地域での神仙図像の表現、祠堂画像石の配置に関しては細かい地域性の違いがより明確となってきた。その一方で西王母と東王父を対置するという共通性も確認できた。今後、神獣鏡図像との対比によって、さらにその違いと共通性と信仰との関わりについて検討を進める。
江西省海昏侯墓(前漢)における近年の調査において、鏡匣に西王母とともに東王父が表現されていることが明らかにされ、従来の神仙の出現過程に対する見解(西王母が単独で出現し、後漢代に東王父と対になる)に対して大幅な見直しが図られている。一部の写真や短文の報告など断片的なものしか明らかにされておらず、図像の詳細など不明な点が多いが、本研究の根幹に関わる重要資料として情報収集に努めた。
また山東の調査過程で生まれた新たな着眼点、いわゆる胡人の図像と信仰との関係について、新たな資料収集・調査に着手した。
2年間の調査・資料収集と基礎的な整理作業を通じて、各地域毎の画像石図像表現や配置法の特色、変遷についておおむね把握することができた。当初の計画では四川や山東を神仙図像の発信地として重視してきたが、初現地として河南や陝西が想定されること、海昏侯墓の画像資料出現など、その展開過程については再検討が必要となっている。次年度の実地調査を通じて解決を図りたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

資料蓄積や地域・年代ごとの整理という当初の目的は達成している。しかし神仙図像の変遷に対する評価を大きく変える新資料(海昏侯墓出土の鏡匣)が出現し、本研究の目的とも大きく関わるが、現段階で公表されている情報が断片的であり、資料として本格的に活用することが困難な状況にある。この新資料を盛り込んで、変遷観やその背景に対して新たな検討が必要となっている。

Strategy for Future Research Activity

①山東省ほか中国の実地調査をさらに推進し、漢代画像資料の収集と墳墓でのその使われ方の実態について把握に努める。②蓄積した資料をもとに地域性を考慮した神仙図像の変遷過程について現段階でのまとめを行う。③海昏侯墓資料の情報収集に努める。④図像の地域性や変容過程と神仙思想との関わりについて、分担者を協力者をまじえて議論を深める。
新資料もふくめた神仙図像の総合的な変遷観を確立し、その背景となる神仙思想の変化についても検討を深めた上で論文製作・発表を進める。

Research Products

(2 results)

All 2018

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 三角縁神獣鏡の授受と地域2018

    • Author(s)
      森下章司
    • Journal Title

      季刊考古学

      Volume: 別冊26 Pages: 77-85

  • [Presentation] ベトナム交趾郡治・ルイロウ城址第 4 次発掘調査と海防市大型漢墓の新発見2018

    • Author(s)
      黄暁芬・阮文団・会下和宏・張得戦・木下保明・懐英・丁麗玄・大川純一・周孟権
    • Organizer
      日本考古学協会第84回大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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