2018 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for comparative party politics in Asia and the Pacific
Project/Area Number |
17H02481
|
Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
上神 貴佳 國學院大學, 法学部, 教授 (30376628)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 柏宇 新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (10781007)
堤 英敬 香川大学, 法学部, 教授 (20314908)
竹中 治堅 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70313484)
浅羽 祐樹 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (70403912)
成廣 孝 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90335571)
朴 志善 岡山大学, 社会文化科学研究科, 特任助教 (80845610)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 比較政治 / アジア / 政党 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度には、合計5回の研究会を開催し、研究の進捗に努めた。 2018年5月の会議(東京)では、前年度に応募した国際学会パネル報告のプロポーザルが却下されたことを受けて、問題点の洗い直しを進めるために、研究方針を再検討した(参加者:上神、竹中、浅羽、チェン、成廣、堤)。その結果、文献収集の範囲を広げ、それらを検討するための勉強会を年度後半に複数回開くこととした。同年8月の会議(NZ)では、5月の会議を受けて、研究代表者が国外の研究協力者と今後の方針を議論した(参加者:上神、タン)。その結果、データ収集用のフォーマット策定のため、先行研究の検討対象をアジアに限定せずに、東欧など比較的に新しく民主化した地域も含めることにした。東欧の民主化は欧米の研究者の関心を集め、研究の蓄積が厚くなっているからである。同年9月の会議(東京)では、5月と8月の会議で決まった方針を実行し、アジア、東欧を中心に先行研究を検討し、これらの地域の政党発展の西欧との違い、理論化に向けた議論を行った。同じく、同年11月の会議(東京)では、北東アジア3か国(日本、韓国、台湾)を対象として、研究分担者が基本的な文献を持ち寄り、相互に参照しながら、異同について検討を行った(参加者:上神、竹中、浅羽、チェン、成廣、堤ほか)。2019年1月の会議(東京)では、国外の研究協力者を迎えて、これまでの議論を振り返り、アジアの政党発展の特徴を捉える際には、西欧との近代化プロセス(社会亀裂と政党制の関係)の違い、とりわけ、国家形成、産業化、民主化のタイミングに注目して枠組みを作成することが重要である、との結論に達した。 また、上記のデータ収集枠組みの策定に加えて、各々が本研究課題に関連する研究を実施し、国際学会や各種媒体でその成果を発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成30年度における本研究は、「遅れている」といえる。当初の研究計画では、2018年9月までに、データ収集用フォーマットを策定する予定であった。しかし、国際学会パネル報告応募の棄却を受けて、計画の再検討を進めた結果、同年8月までには、作業内容の大幅な見直しが必要であることが判明した。具体的には先述のとおりであるが、より研究の蓄積のある東欧を検討対象に加えることにより、アジアにおける近代化と政党発展の経験を相対化する、とりわけ西欧近代との比較の視点を複数持つことにした。本研究計画を遂行するために、この方針変更はやむを得ないものであった。しかし、膨大な先行研究を新たに検討しなければならないことになり、当初の予定通りに本研究計画を進めることは難しいとの判断に至った。その結果、データ収集作業の本格的な開始を1年間遅らせざるを得ないことになった。 年度内に追加で複数回の研究会を開催し、新しい視点から理論的な検討を進めた結果、おおよそ研究の方向性について見通しが得られたといえる。具体的には、とくに西欧における政党発展の中心的なモデルといえる、社会亀裂論を念頭に置いて考えること、近代化のタイミングの違いがどのように政党組織の発展に影響を及ぼしたのか、これらの地域間の異同を説明すること、31年度中には論文形式にまとめることを目標とした。残念ながら、データ収集を31年度の10月に先送りすることになったが、作業の見通し自体は得られたといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、前年度に引き続き、Ⅰ「データ収集のためのフォーマットの開発」と、Ⅱ「北東アジア地域の政党関連データの収集」の準備を行う。とくに前年度の積み残し課題であるⅠについては、31年度半ばをめどにコードブック形式にまとめることを目指す。また、Ⅱについては、Ⅰの作業と並行して、北東アジアを対象にデータ収集のパイロット調査を実施する。どのような項目が実際に入手可能なのか、データ収集のコストも踏まえつつ、検討しなければならない。早めにデータ収集項目の検討を行うことにより、当初計画の遅延をより小さくすることを目標とする。 また、30年度の当初計画同様、引き続き、国際学会等におけるパネル報告の可能性を探る。関連して、研究分担者が本研究課題に関係する研究を積極的に発表することで、本研究課題が学界に受け入れられる素地を作っていきたい。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 政治学入門2019
Author(s)
永井史男・水島治郎・品田裕編(堤英敬ほか)
Total Pages
384(62-88)
Publisher
ミネルヴァ書房
ISBN
9784623085682
-