2019 Fiscal Year Annual Research Report
Basic research for comparative party politics in Asia and the Pacific
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17H02481
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
上神 貴佳 國學院大學, 法学部, 教授 (30376628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 柏宇 新潟県立大学, 国際地域学部, 准教授 (10781007)
堤 英敬 香川大学, 法学部, 教授 (20314908)
竹中 治堅 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (70313484)
浅羽 祐樹 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (70403912)
成廣 孝 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (90335571)
朴 志善 岡山大学, 社会文化科学研究科, 特任助教 (80845610)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 比較政治 / アジア / 政党 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019・2020年度は全体会合を3回、台湾チームとの会合を1回実施し、そのほかにも複数回の個別ミーティングを実施した。まず、2019年6月に全体会合を開催し、データベース構築のためのフォーマット作成、作業チームの編成について議論した。同年10月の全体会合では、北東アジアを中心に、各国の政治制度、政党政治の基本的な配置を確認した。これらを受けて、同年11月にフォーマットの素案を提示し、研究チームの了承を得た。しかし、試行的な文献調査などの結果から、北東アジアと東南アジアでは、政党の成り立ちや組織の有り様が異なることが判明した。そこで、組織構造だけではなく、オンライン上の選挙戦略の有無や類型を捉えるべく、新たに項目を追加した。また、2020年1月の台湾チームとの会合においては、現地インフォーマントの協力を得るべく、その来日に合わせて実施した。その後、新型コロナウィルス感染症に起因する渡航制限のため、海外出張の中止など、作業に大きな制約が生じた。困難な状況ではあったが、北東アジアを先行させてデータ収集を進め、同年10月には、全体の進捗状況を確認するためのオンライン会議を実施した。前後して、東南アジア政治の専門家を招聘し、改めてフォーマットの妥当性について確認した。なお、アジアの政党発展を理論的に説明する枠組み論文の執筆については、2019年度に合計9回、個別の会合を実施した。本科研の関連業績のうち顕著なものとして、日韓台の比較政党政治に関する論考、日本政治に関する論考がそれぞれ海外の有名学術出版社から出版された(分担執筆)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アジアにおける政党政治の多様性は想定以上であり、とりわけ北東アジアと東南アジアの違いは大きい。データ収集のためのフォーマット作成も再検討を迫られることになった。両者の違いは、政党組織の内外を分かつ境界の明確さ、西欧を範とする組織モデルの妥当性にある。日韓台の事例においては、多かれ少なかれ、党員の定義が明確であり、党大会・執行部を中心とする院外組織の存在を想定できる。しかし、東南アジアの事例においては、必ずしも当てはまらない場合がある。候補者を中心とする集票活動のためのネットワークとみなすならば、選挙運動の観点から組織を捉えるほうが適切となる。そこで、政党の組織構造のみならず、選挙運動、とりわけオンライン上の活動に関する質問項目の追加で対応した。先行研究、とりわけ、政党のインターネット戦略に関する研究の第一人者である、R・ギブソン教授の策定したリストに従って、フォーマットを修正・追加した。同教授のリストはネット上の政党活動を網羅的に捉えるものである。西欧中心のきらいはあるが、院外組織の有り様とは異なり、「洋の東西」という文脈上の違いにさほど影響されないと考えられる。他方、北東アジアの政党に関するデータ収集は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を被るまでは、比較的に順調に進んでいた。しかし、渡航制限により、2020年度の資料収集は制約された。現地のインフォーマントを確保して資料収集を代行してもらう、会合はオンラインで行うなどの対応を取った。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、2020年度の研究を翌年度まで繰り越した。しかし、今後も渡航制限が続くことを想定し、現地調査を前提とせずに資料を収集することを基本とする。一つには、現地のインフォーマントに資料収集を代行してもらう。また、(必要な場合は)オンライン会議形式でインタビューを行う、本科研の会合も極力オンラインで行う、などの措置を取ることとする。データベースの構築については、北東アジアは軌道に乗ったので、このまま完了を目指す。東南アジアのデータ収集については、開始時期の遅れ、新型コロナウィルスの感染拡大もあり、困難な状況ではあるが、なるべく多くの事例をカバーできるよう鋭意努力する。アジアの政党発展を理論的に説明する枠組み論文について、2020年度はデータベース構築に忙殺され、十分な対応ができなかった。2021年度に改めて脱稿を目指す。
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Research Products
(15 results)