2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sustainability of Normative Power Europe
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17H02497
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Research Institution | Niigata University of International and Information Studies |
Principal Investigator |
臼井 陽一郎 新潟国際情報大学, 国際学部, 教授 (90267451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 顕 東洋大学, 国際学部, 准教授 (80644864)
小山 晶子 東海大学, 教養学部, 准教授 (00645179)
小林 正英 尚美学園大学, 総合政策学部, 准教授(移行) (60364874)
小松崎 利明 天理大学, 国際学部, 准教授 (00777667)
武田 健 東海大学, 政治経済学部, 講師 (10704869)
東野 篤子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60405488)
福海 さやか 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (70524081)
松尾 秀哉 龍谷大学, 法学部, 教授 (50453452)
吉沢 晃 同志社大学, 政策学部, 助教 (90743857)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | EU / 国際規範 / マルチラテラリズム / 規範パワー |
Outline of Annual Research Achievements |
上半期に東京で理論研究担当分担者数名と代表者で会合を開き、本科研プロジェクトの理論枠組を批判的に考察した。とくにBrexitの動向について、実証研究の対象に取り上げるべきかを再考した。下半期には京都にて全体研究会合を開催、分担研究者9名に研究協力者2名を加え、本科研プロジェクトで設定した理論枠組と実証研究対象のすりあわせを実施した。この会合では、EUの通商政策と競争政策に関して、とくにWTO改革の視点から明確に異なるふたつの実証分析が示され、マルチラテラリズムとリーガリゼーションの視点について重要な検討課題を得ることができた。またEUトルコ関係に加えて、EU中国関係を本科研プロジェクトの検討課題に加えるかどうかを理論的に詰めて議論した。そして実証研究対象については柔軟に調整していくべきことを確認した。また3月には人権デモクラシー担当分担者によるブリュッセルでの聞き取り調査を実施、難民社会統合と域内治安確保の規範対抗関係に関して、リーガリゼーションとメインストリーミングの視点から重要な知見を得ることができた。 なお、代表者・分担者による本研究プロジェクト関連の講演や新聞記事寄稿、学会報告などについては、本科研プロジェクトのWebサイトに掲載しているが(https://sites.google.com/view/npe2017/)、その内容については、代表者・分担者の間でLINEグループを通じて共有している。日常的なディスカッションもこれにより進められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初2年目に予定していた作業はほぼ完了した。2回予定していた全体研究会合は1回のみに終わったが、理論担当分担者と代表者の会合により補足した。上半期に予定していた政策文書とアクタースピーチアクトの分析は、Brexitの予想外の情勢により当初予定のものからシフトし、Brexitに関わる規範言説分析を追加的に進めた。全体会合は京都で開催し、規範パワーの概念、その持続可能性の制度的条件、その客観的認識を可能にする指標、EUの制度的条件が加盟国の集合的政治意思を方向づけるとする仮説の精緻化・洗練化について、プロジェクト参加メンバーで批判的に検討を進め、概念枠組や経験事例選定に関する部分的な問題も発見した。海外インタビューは3月にブリュッセルにて、人権デモクラシー関連(難民社会統合と治安確保の規範対抗関係)で実施した。なお昨年度設置したWebサイト<https://sites.google.com/view/npe2017/>上で研究活動を適宜公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
全体会合をあと2回ほど実施、中間研究成果を研究書として公表する。出版社との交渉はすでに終了しており、2019年度8月末を目途に本プロジェクト参加10名と研究協力者3名が入稿、2020年3月までに公刊する。公刊後は外部からコメンテーターを招聘し書評会を開催するとともに、EU学会や国際政治学会あるいはUACESにおいて、研究発表を行っていく。そうした出版と学会報告を通じて本研究プロジェクトの成果と意義を批判的に再検討したのちに、研究代表者が本プロジェクトにより生みだされた知見を再確認し、批判的コメントに対してフォローアップしていくための研究書を、2021年3月までに公刊する。
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Research Products
(12 results)