2019 Fiscal Year Annual Research Report
新しい時系列計量分析の理論と応用:点過程アプローチ
Project/Area Number |
17H02513
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
国友 直人 明治大学, 政治経済学部, 特任教授 (10153313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大屋 幸輔 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (20233281)
佐藤 整尚 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (60280525)
栗栖 大輔 東京工業大学, 工学院, 助教 (70825835)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 時系列計量分析 / 点過程アプローチ / マクロ経済時系列 / 高頻度金融データ |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究プロジェクトでは日本経済・社会の理解の方法として新しい統計分析・計量分析の方法を開発、応用を検討している。マクロ経済では時々起きる大きな変動の分析は重要であるにもかかわらず、なお研究の蓄積が不十分である。金融現象ではジャンプを含む確率過程の一般理論を踏まえた金融時系列分析はなお不十分であり、ミクロジャンプ拡散確率過程の計量分析の方法を確立する必要がある。第一にはこうした二つの理論的枠組みの統合した新しい枠組みの構築であり、さらに第二には理論に基づく現実の時系列データ分析への応用について、2019年度には次のような内容の研究を行った。 1.基礎理論:稀に起きる現象の統計学的研究分野は統計的極値論(Statistical Extreme Value Theory, SEVT)であり、この研究分野で定評のある、Resnick, S. (2008”Heavy-Tail Phenomena ”Springerの翻訳作業(朝倉書店)を行った。近日中に公刊される予定である。 2.マクロSIML計量理論の構築:Kunitomo-Sato-Kurisu (2018, Springer)の理論を非定常多次元時系列データの分析に拡張した。フィルタリング問題についてはKunitomo-Kurisu-Awaya (2019)を発表したが、マクロ経済時系列に応用できるSIMLフィルタリング理論を検討、総務庁統計局でのマクロ消費データへの応用研究を開始した。 3.ミクロ高頻度計量分析の理論と応用:Kunitomo-Sato(2013)が開発したSIML (separating information maximum likelihood method, 分離最尤推定法)の研究をさらに発展させてKunitomo-Kurisu (2019)などの研究を行った。高次元高頻度の統計理論の研究を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究プロジェクトの3年目であるが、前年度に引き続き、研究プロジェクトの参加者が単独もしくは共同で研究目標にそって研究活動を行った。夏休みを利用して2019年8月7日、福島大学において研究集会を開催した。さらに研究集会で報告された研究成果は明治大学MIMSの研究報告書シリーズMIMS-RBP Statistics & Data Science Series SDS-11『データサイエンス・福島キャンプ2019(新しい時系列計量分析の理論と応用)』としてWeb上で公開している。http://www.mims.meiji.ac.jp/publications/2018-ds/SDS-11.pdf この間の研究活動の研究成果の詳細は報告書、あるいは報告書に掲載されてある論文や原稿が引用している英文論文を参照されたい。
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Strategy for Future Research Activity |
関係する研究集会や学会などで研究の打ち合わせを行うとともに、関係する他分野における研究・研究者や確率論・統計学など数理科学の関係者、特に確率論・確率解析の研究者や金融(ファイナンス)の関係者を交え、現代の社会・経済においては重要ではあるが、既存の研究分野では十分に取り上げられなかった研究課題をさらに議論する。また関係する分野の研究者とともに、確率過程の統計分析・時系列計量分析の共同研究を行っている。2020年度は最終年度であるので研究集会を国内で開催することを計画している。
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Research Products
(8 results)