2017 Fiscal Year Annual Research Report
Building a Research Field on War and Society of Japan
Project/Area Number |
17H02584
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野上 元 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (50350187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 明 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00381145)
柳原 伸洋 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (00631847)
蘭 信三 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (30159503)
渡邊 勉 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30261564)
福間 良明 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70380144)
山本 昭宏 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70644996)
一ノ瀬 俊也 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 教授 (80311132)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 戦争社会学 / 戦争と社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、5年間の研究計画の一年目であったが、まず、4月22・23日に琉球大学で行われた戦争社会学研究会第8回大会において、分担者の渡邊が個人報告を行ったほか、山本を司会、野上および福間が報告者となってシンポジウム「『野火』の戦争社会学」を企画・開催した。大岡昇平の原作、2度の映画版について多角的に検討するものである。同会を発表の場とし、戦争社会学が展開する可能性のある領域のうち、戦争表象について検討する可能性を提起した。 同4月に、同研究会の編集する『戦争社会学研究』の創刊号が勉誠出版から刊行された。「創刊の言葉」および論文一本を野上が書き、福間・蘭・西村・柳原もそれぞれ論文を寄稿している。とくに野上の論文「戦争社会学の開く扉」は、戦争社会学が何を目指しているかについて論じたものであり、本科研課題「学際的戦争社会学研究領域の構築」の中間報告として位置づけられるものである。 9月8日には関西学院大学梅田キャンパスで「アニメと<戦争>」というテーマで研究会を行い、引き続き戦争表象の問題について検討した。、12月2日には埼玉大学で『「戦争体験」とジェンダー』『「慰安婦」問題の言説空間』の書評会を行った。力のある若手研究者の著作に触れることで戦争社会学研究領域の今後の発展可能性を確信することができた。 一方で、数多くの大学に跨る大きな研究組織を維持し、研究課題に関連する上記の研究事業を進めるために、多くの事務的な労力を消費した。また、当年度より野上および福間が新たに参加することになった「ミリタリーカルチャー研究会」で、本研究課題が目指す社会調査と重なる研究計画の存在が明らかになり、重なりを除去できるよう研究課題を一部修正する必要が出てきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「概要」で述べたように、研究代表者である野上は、研究会の企画や開催に係る事務手続きで多くの労力を消費した。また同様に、戦争に関する社会調査のプレ調査の設計を進める予定であったが、他科研で同じような調査があることが分かり、当初の設計を大幅に変更する必要が出てきた。とはいえ、大きな研究会を複数開催し、学際的戦争社会学研究領域の構築については順調に進んでいると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
既存の戦争社会学的研究の収集・整理に短期雇用の大学生を任用していたが、これと並行して、研究代表者が所属する筑波大学にて非常勤研究員を2018年度から雇用することにした。プレ調査の設計の修正については、2018年度の前半の段階で打ち合わせを行い、これに対応することとする。
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Research Products
(15 results)