2017 Fiscal Year Annual Research Report
神経症傾向と感情制御・健康との関わり:社会・生物の二項対立の超克へ向けて
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17H02624
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内田 由紀子 京都大学, こころの未来研究センター, 准教授 (60411831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神庭 重信 九州大学, 医学研究院, 教授 (50195187)
平野 羊嗣 九州大学, 大学病院, 助教 (90567497)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳波測定 / 行動調整傾向 / 感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、神経症傾向のの適応価が行動調整傾向の強弱に応じて変動するかを検討することである。負の情報へ行動調整傾向とは、負の情報への敏感性を促す性格特性で、疾病・精神疾患などの不適応症状の予測因子であるとされる。一方で神経症傾向は、さまざまな危険・脅威を効率的に検知することを可能にする。従って、自らの行動を柔軟に調整し周囲に合わせる傾向が高い場合には、神経症傾向は適応的になり得るであろう。適応の指標としては、脳誘発電位を用 いて測定する感情制御能力を用いる。 当該年度には京都大学の学生を対象にした調査として実施した。脳波測定には電位変化を脳波として測定する64チャンネル脳波計(BIOSEMI Active Two System)を用い、測定時DC~1.6KHzの周波数帯域を増幅記録した。参加者は、脳波計を装着し、実験室で脳波を用いた感情制御の課題を遂行した。本研究では、1500-3000msでのLPPの電位をもってLPPの抑制の程度の指標とした。国際的に広く使われている「International Affective Picture System (IAPS)」より、強度(arousal)と不快度(unpleasantness)がともに高い画像60枚と、強度が低く、不快でも快でもない画像60枚を選択して用いた。「注意条件」では、画像をみて、自然に生じる感情反応に注意を払うように教示し、「抑制条件」では、画像を見て自然に生じる感情反応を抑え隠すように教示した(被験者内要因)。最後に神経症傾向などを調査する質問紙に回答した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験機器の購入ならびに倫理審査の承認ならびに学内事務処理の決済がおりるまでに当初予定より時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
京都大学では実験データの収取継続と解析を実施する。九州大学では実験データの収集と解析を実施する。
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