2018 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of the feelings of kawaii on psychophysiological states and social relations
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17H02651
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
入戸野 宏 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (20304371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 綾乃 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (10367576)
小森 政嗣 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (60352019)
金井 嘉宏 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (60432689)
川本 大史 中部大学, 人文学部, 講師 (50761079) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 実験系心理学 / 感情 / 感性 / 心理生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,3年間の研究期間の2年目であり,これまでに実施した実験や調査を継続・発展させるとともに,新しいテーマに取り組んだ。主な研究成果は,以下の5つである。(1) 接近-回避の潜在連合テストパラダイムを用いて,幼児顔と接近動機づけが連合していることを明らかにした。成人顔は接近動機づけとも回避動機づけとも連合していなかった。また,正立顔の方が倒立顔よりも効果が大きかったので,物理的形状(丸み)だけでなく,顔の全体処理が影響していることが示唆された。(2) 6か月齢の幼児顔を80枚収集し,それぞれに179点の標識点を入力した。200名の男女の評定に基づいて,かわいさの高い幼児の平均顔とかわいさの低い幼児の平均顔を作成した。さらに,それらをプロトタイプとして50枚の合成顔の変形を行い,かわいさを増強した顔と減弱した顔からなるデータセットを作成した。(3) 65歳以上のシニア層を対象とした「かわいい」に関するインタビュー結果(20名)について質的な整理を行った。キャラクター文化に対する関心は非常に低かったが,「かわいい」という感情そのものは肯定的に捉えていることが分かった。(4) 「かわいい」概念のプライミングが社会価値志向性に及ぼす効果を調べた実験データをまとめた。統計的に有意な効果が得られず,パーソナリティ要因の影響が大きいことが示唆された。(5)多変量の探索手法であるベイズ最適法を用いてかわいい造形物(二次元の模様)を生成するプログラムを試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度新たに加わった研究分担者が急逝するといった予期せぬ事態が起こったため,予定した計画の一部は中断した。また,予定していたホルモン(オキシトシン)に関する研究は,最近の海外研究を調査したところ,見込みが低いことが分かったために中止した。その一方で,予想以上に発展したテーマもある。全体としてはほぼ順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,これまで実施した実験や調査の結果をまとめて発表する。成果が出そうなテーマを優先して進める。(1) 昨年度収集したデータに基づき,「日本版かわいい幼児顔データセット(Japanese Cute Infant Faces: JCIF)」を整備して公開する。(2) かわいさの評価と表情との関係について,表情筋筋電図のデータを分析する。(3) 高齢者にとっての「かわいい」に関するインタビュー結果を論文にまとめる。(4) 海外において「cute」と「かわいい」に対する態度調査を行う。(5)「かわいい」を取り入れた瞑想の効果について,慈悲の瞑想などと比較する実験を行う。(6)「かわいい」の下位次元について追加の質問紙調査を行い,論文を執筆する。
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Research Products
(8 results)