2017 Fiscal Year Annual Research Report
Single molecule analysis of biomolecules at nanobio interfaces
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17H02750
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 正彦 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (50181003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 真士 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (00391839)
矢野 隆章 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90600651)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナノバイオサイエンス / プラズモニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究課題の根幹となる貴金属ナノ構造の設計・作製・評価に注力した。具体的には、600nm付近にプラズモン共鳴波長を有する金のナノアンテナ構造を、ナノ粒子ナノリソグラフィーおよび電子線ナノリソグラフィーを用いて作製した。これらのナノアンテナ構造表面に4-アミノチオフェノール分子を修飾し、励起波長が594nmのレーザー光を用いてナノアンテナ構造のラマン散乱増強能を検証した。4-アミノチオフェノール分子の金ナノアンテナ表面におけるラマン散乱増強度は金ナノ粒子のそれよりも2桁以上大きいことがわかり、高感度な生体分子分光計測に有用であることを示した。 探針型の金ナノアンテナ構造も開発し、探針先端でラマン散乱が10000倍以上増強されることを確認した。また、ラマン散乱だけでなくレーリー散乱にも着目し、レーリー散乱が探針直下の試料表面の屈折率によって変化することを見出した。試料表面上で探針を2次元走査させながら探針増強レーリー散乱光を検出することによって、回折限界を超えた数10nmの空間分解能で試料表面の屈折率分布を測定できることも示した。 さらに、金属ナノ探針にレーザー光を照射した際に発生する光誘起熱にも着目し、光照射時の金属ナノ探針先端の温度を分光学的に計測するする手法を開発した。水溶液中において微小な振幅で金属ナノ探針を励振させることによって金属表面の熱拡散を促進し、光発熱効果を低減できることも示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り、本年度の課題であったラマン散乱増強能が高いプラズモニックナノアンテナ構造を作製し、その有効性を実証することができたため。さらに、金属表面の光発熱を低減する手法を開発し、生体分子のナノ分光計測への有効性を示したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、プラズモニックナノアンテナ構造のラマン散乱増強能の向上を図りながら、それらを用いて生体分子認識反応のナノ分光計測を行う。分子認識反応時のラマンスペクトルの変化を測定し、分子認識反応の素過程を解析する。
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Research Products
(3 results)