2018 Fiscal Year Annual Research Report
Single molecule analysis of biomolecules at nanobio interfaces
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17H02750
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 正彦 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (50181003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 真士 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (00391839)
矢野 隆章 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90600651)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ナノバイオフォトニクス / 単一分子検出 / プラズモニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生体分子認識反応ダイナミクスを単一生体分子スケールで分光分析する手法を確立し、分子認識メカニズム(反応時の相互作用サイト、コンフォメーション、分子配向等)の理解の深化を図ることである。 本年度は、昨年度に引き続きラマン散乱増強能が高い金属ナノギャップアンテナ構造の設計・作製とそれらを用いた生体分子分光分析を行った。探針型の金属ナノギャップアンテナ構造に関しては、金属探針と金属基板に用いる金属種と金属膜厚を制御することによって、ナノギャップ間に介在する試料分子のラマン散乱増強度を増大させることに成功した。特に、銀探針と金基板を使用した時に、ラマン散乱励起波長である633nm付近でギャップモードプラズモンが誘起され、それに伴ってナノギャップ間に介在する試料分子(4-アミノチオフェノール)のラマン散乱が1000万倍程度に増強されることがわかった。 さらに、アミノ酸10分子程度から構成されるペプチド分子を金基板表面に吸着させて時間分解ラマンスペクトル測定を行った結果、単一分子検出に起因するスペクトル変化(ラマンバンドの明滅、振動数シフト)が観測され、金属ナノギャップ構造を用いた単一生体分子検出を実現した。 探針型の金ナノアンテナ構造を用いたラマン分光装置の改良も行い、レーザー集光スポット中心に探針位置を1nm以下の精度で長時間(1時間以上)保持する機構を新たに開発し、測定時間が長時間に及ぶ2次元ラマンイメージングを安定的に行うことが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り、金属ナノギャップアンテナ構造のラマン散乱増強能を向上させ、単一生体分子のラマン分光検出を実現したため。さらに、金属表面の光発熱を低減する手法を開発し、生体分子のナノ分光計測への有効性を示したため。探針型の金ナノアンテナ構造を用いたラマン分光装置の改良も行い、測定時間が長時間に及ぶ2次元ラマンイメージングを安定的に行うことが可能となり、最終年度の目標を達成する目処がついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に開発した金属ナノギャップアンテナ構造を用いて生体分子認識反応の時間分解分光分析を行い、分子認識メカニズム(反応時の相互作用サイト、コンフォメーション、分子配向等)を単一生体分子レベルで解明する。
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Research Products
(3 results)