2018 Fiscal Year Annual Research Report
実空間操作によるトポロジカル状態発現の摂理探索と新規機能の創成
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17H02913
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
胡 暁 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (90238428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 英樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (10262114)
苅宿 俊風 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (60711281)
深田 直樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (90302207)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トポロジー / ナノフォトニクス / 誘電体 / LC回路 / マイクロストリップ / グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)蜂の巣構造に基づく誘電体トポロジカルフォトニック結晶(PhC)創成理論の原理実証実験に成功した。具体的には、アルミナ円柱のトポロジカルPhCとトポロジカル特性を持たない自明なPhCを作製し、二者の境界に沿ったトポロジカル電磁伝搬様式を測定することによって、代表者の理論で予言された擬スピン単一方向伝播特性、欠陥や鋭角経路による散乱を受けない強靭さを示した。これにより、半導体ナノフォトニクスにトポロジカル特性を新たに付与し、革新的光機能とデバイス開発への道を切り拓いた。研究論文はPhysical Review Letters誌に掲載された。 (2)トポロジカルLC回路を設計し、マイクロストリップ導波路における実装を通じてトポロジカル電磁伝播を実現した。具体的には、金属細線/誘電体薄膜/金属基板からなる構造において、蜂の巣模様を示す金属細線に線幅パターンを導入し、電磁渦を伴うトポロジカルマイクロ波伝搬の観測に初めて成功した。マイクロストリップは高周波導波路として携帯電話等多くの電子デバイスに使用されているので、本研究成果は高度情報化社会におけるマイクロ波・光伝播の優れた制御方法の開発に繋がると期待される。研究論文はNature Communications誌に掲載された。 (3)グラフェンナノ空孔アレーのパッチワークによるトポロジカル電子状態形成の理論構築に成功した。具体的には、グラフェンから6個のC原子を取り除いて得られる空孔の三角格子配列と蜂の巣格子配列では、電子バンドが異なるトポロジーを示すことを解明した。このため、両者の境界に沿って伝搬するトポロジカル電子状態が現れる。研究論文はPhysical Review B誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画ではポスドク研究員を雇用し、実空間操作によるトポロジカル状態創成の理論研究を進める予定であった。該当現象に対する理解が、代表者のグループの研究も含めて、欧米諸国を始めとして世界規模で予想以上に発展した。そのため、研究計画にある一部の理論解析を行う必要がなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
予想より理論解析が進んでいるため、理論解析を担当するポスドク研究員雇用の替わりに、実験研究をより効率的にサポートできる数値計算及び結果の可視化に重点を置く。
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Research Products
(23 results)