2017 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical framework supporting direct optical observations of ordered structures of soft matter
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17H02947
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| Research Institution | Kyushu University |
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Principal Investigator |
福田 順一 九州大学, 理学研究院, 教授 (90392654)
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2017-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 液晶 / Maxwell方程式 / スカーミオン / コレステリックブルー相 / 光学顕微鏡 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，鏡映対称性の欠如したキラルな液晶が平行平板間で示す示すサブミクロンスケールの周期的秩序構造について，その光学的性質に関する検討を集中的に行なった．より具体的には，開口数の大きい光学顕微鏡によって得られるそれらの秩序構造の顕微鏡像と，それらの秩序構造に対して垂直に入射する光に関する反射スペクトルと反射近接場光について，光の電磁波に関するMaxwell方程式を数値的に解くことで検討を行なった．前者については，渦状の配向秩序構造であるスカーミオンと呼ばれる構造のヘキサゴナルな格子と，コレステリックブルー相と呼ばれる３次元秩序構造を薄くスライスしたような構造について，実験による光学顕微鏡像をほぼ完璧に再現する結果を得て，スカーミオンのヘキサゴナル格子の生成の実験的な実証に理論の立場から貢献することができた．また後者については，液晶が示すサブミクロンスケールの秩序構造について近接場光がその同定に有効な情報を与えうることを示し，さらに反射スペクトルにおけるピーク位置について定量的な理論的説明を与えることにも成功した．これらの成果については，２本の原著論文を公表するとともに，前者の成果については九州大学からプレス発表を行なった．
その他の問題として，コレステリックブルー相による光の散乱の性質に関する研究を行い，Proceedings論文として公表した．また，位相欠陥を含むネマチック液晶薄膜の秩序構造中を光がどう伝播するかについて幾何光学に基づいた考察を行い，そのような秩序構造の蛍光顕微鏡像が示す性質について行なった考察について，実際の顕微鏡観察を行った連携研究者とともに原著論文を公表した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サブミクロンスケールの周期的秩序構造について光学顕微鏡像を実際に計算でき，実験とほぼ完璧な一致を示したことは，大きな成果だと考えている．
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究で用いているMaxwell方程式の求解スキームは，本研究課題の主要な目的である顕微鏡像の直接計算に限らない波及効果があると考えており，現在は光散乱のより一般的な性質について，数値計算と純粋な理論的考察を組み合わせた検討を，実験結果との比較を念頭に行なっている．また，本研究課題の遂行においては計算スキームの効率化が主要な課題であり，特に有限の厚さの系について厚さ方向の周期性をうまく取り入れられておらず，場合によっては計算機購入のための費用をテクニシャン雇用の費用に振り替えて効率化に取り組むことを検討している．
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| Remarks |
Webページ(1)(2)は同内容（前者は日本語，後者は英語）．後者の正式なタイトルは"Liquid crystals swirl; Theory and experiments reveal new ordered structures of a liquid crystal"
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Research Products
(18 results)
