2017 Fiscal Year Annual Research Report
ジピリン金属錯体分子科学・低次元系の新展開:高次光機能の開拓
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17H03028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 良太 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80453843)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジピリン / 金属錯体 / ナノワイヤ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) イミン連結π共役BODIPY β位をイミン結合で連結したBODIPYオリゴマーの合成に成功した。その発光量子収率は0.93にも及び, また効果的なπ共役の効果により, 発光波長は125 nmのレッドシフトを示した. またシリカゲルとBODIPY誘導体間のheterogeneousなイミン生成反応を利用することで前者への後者の固定化を達成し, かつ優れた耐久性と発光性を両立した. (2) ヘリカルジピリンナノワイヤ BINAPをキラル源とするジピリン架橋配位子と亜鉛イオンからなる螺旋ジピリンナノワイヤの合成に成功した. 固体として単離したナノワイヤを有機溶媒中で超音波処理することで単一分子鎖に剥離することができる. これをHOPG平滑基板上にサンプリングし, 大気下AFMで観察すると, 長さ2 μmを超える単一ポリマー鎖が観測された. ジピリンナノワイヤはCDスペクトルにおいてコットン効果を示し, その強度は対応する単核錯体に比べ増大した. これに伴い, ジピリンナノワイヤは円偏光発光を示した. その非対称因子の平均の絶対値は2.3*10^-3であり, この値は単核錯体のそれ (0.39*10^-3) に比べ5.9倍の増強を示した. らせん構造が円偏光発光を増強したものと考えられる. (3) 共重合ジピリンナノワイヤ 本研究成果はScience Advances誌に掲載されるなど, 大きな達成となった. 次年度の報告書に詳細を示す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
化学における評価の高い雑誌に論文が掲載されるなど、順調な研究進捗を示す事実が存在する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は共重合ジピリンナノワイヤの研究に注力するとともに、ジピリン単核錯体の研究成果についてもまとめていく。
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Research Products
(7 results)