2017 Fiscal Year Annual Research Report
New developments of the asymmetric reactions mediated by chiral phosphoric acid and derivatives
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17H03060
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
秋山 隆彦 学習院大学, 理学部, 教授 (60202553)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 有機分子触媒 / 不斉触媒 / キラルリン酸 / 光学活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
キラルな化合物には,エナンチオマー間で異なった生理活性を示す場合があり,一方のエナンチオマーのみを選択的に合成する手法,すなわち触媒的な不斉合成反応の開発は,有機化学において極めて重要な課題の一つである。本研究においては,研究代表者が開発した(R)-ビナフトール由来のキラルリン酸を用いて,効率的な不斉触媒反応を開発するととともに,より優れた新たなキラルブレンステッド酸触媒の開発も目指している。 本研究においては,比較的安定である,トリフルオロメチルの置換した,チッ素上に水素の置換したイミンに対する,インドールおよびピロールのFriedel-Craftsアルキル化反応が効率良く進行し,対応する付加体が高い光学純度で得られることを見出した。興味深いことにより,チッ素上にp-メトキシフェニル(PMP)基の置換したケトイミンを用いると,同じ条件下反応が全く進行しなかった。すなわち,N-HイミンはN-PMPイミンよりもより優れた求電子剤であることがわかった。また,トリフルオロメチル基の置換したアルキニル基を有するケトイミンに対する水素移動型還元反応が,代表者の開発したベンゾチアゾリンを水素源として用いることにより,効率良く進行し,対応する,トリフルオロメチル基の置換したアミン類が光学純度良く得られることも見出した。 さらに,キラルリン酸の金属塩をキラルルイス酸触媒として用いることにより,分子内redox反応が効率良く進行し,三環性化合物が光学純度良く得られることも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キラルリン酸およびその金属塩を用いることにより,新規かつ効率の良い不斉触媒反応を数多く見出している。本研究課題はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
キラルリン酸およびその金属塩を用いた新たな不斉触媒反応の開発を精力的に進め,中心性不斉化合物のみならず,軸性不斉化合物,面性不斉化合物の不斉合成も目指す。さらに,より強力な不斉酸触媒の開発も目指す。
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Research Products
(10 results)