2018 Fiscal Year Annual Research Report
Ultra-High Resolution Protein Analysis Using a Chemical Labeling Method
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17H03090
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
王子田 彰夫 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10343328)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 蛋白質 / 電子顕微鏡 / ケミカルバイオロジー / 脳神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
Aspリッチタグを用いたリアクティブタグ法の研究においては、昨年までに細胞表層に発現させたタグ導入タンパク質をラベル化し、金ナノ粒子修飾により電子顕微鏡により可視化が可能であることを明らかとした。本年度は、第二世代型の同手法が固定化された細胞サンプル上のタンパク質の電子顕微鏡イメージングにも応用できる事を証明した。さらに、プラスチック包埋細胞切片を用いた実験により、リアクティブタグ法によるラベル化が従来の抗体を用いた免疫電顕法よりも高い解像度でタンパク質を可視化できることを明らかした。これらの実験からリアクティブタグ法の有用性を明確にすることができた。また、マウス脳内に発現させたタグ導入タンパク質の対するラベル化応用検討を進めており、問題点を一つづつ改善している段階にある。 ヒスタグ型リアクティブタグ法の研究においては、昨年度までにプローブ構造の最適化を、ほぼ終えた。本年度は、速度論解析によりCys-Hisタグ配列の最適化を行うと同時に、さらに詳細なプローブ構造の最適化を行うことで、最終的にラベル化効率の最適化されたプローブとヒスタグのペアを見出すことに成功した。本ペアは、細胞表層に発現させたCys-Hisタグ導入タンパク質の蛍光イメージングに応用することができた。現在、開発したプローブを共同研究先のオーストリアISTの重本研に送り、本ペアが金ナノ粒子ラベル化による電子顕微鏡イメージングに応用可能であるかについて検討中の段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Aspリッチタグを用いたリアクティブタグ法の研究では、電子顕微鏡によるタンパク質可視化に応用する十分な成果が得られた。本成果は、現在、論文投稿中の段階にある。また、これまでに開発した第二世代型リアクティブタグ法よりも、高いラベル化効率と低い非特異反応性を示す第三世代型リアクティブタグ法を創出することにも成功した(論文投稿済み)。ヒスタグ型リアクティブタグ法の研究においても、プローブとタグ配列の詳細な最適化を行うことで、高いラベル化効率と低い非特異反応性を示す新たなペアを創出することができた(論文投稿済み)。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、Aspリッチタグ型ならびにヒスタグ型リアクティブタグ法を用いたタンパク質の電子顕微鏡イメージング応用が、ほぼ確立された段階にある。今後は、これらの手法を脳組織に発現させたタンパク質へと応用するとともに、両ペアを組み合わせたタンパク質複合体の可視化の実現に注力して行きたいと考えている。
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