2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of dispersion technique of graphene oxide in lubricating oils, and its synergistic effect with other additives and low temperature operation
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17H03165
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
木之下 博 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50362760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 勇太 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 研究教授 (50585940)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 酸化グラフェン / 潤滑油 / 摩擦 / 摩耗 / 分散性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請者らは酸化グラフェンの“分散水”が,室温,鉄系材料の摩擦で摩擦係数0.05の極低摩擦,ほぼゼロ摩耗になることを見出した.鉄系・室温でこのような高潤滑性能の添加剤は存在しない.本研究では実用化を目指し,酸化グラフェンのアルキル化を最適化して,合成潤滑油への分散で高い潤滑性を実現し,他添加剤との混合添加の影響などを詳しく調べ,さらに低温でも潤滑効果を達成する研究を行う. 本研究では,化学修飾と加熱還元の2通りの方法で疎水化を行った.化学修飾による方法では,酸化グラフェンの酸素官能基にアルキルアミンでアルキル基を付加して極性を低減させた.アルキルアミンの添加量を変えて分散を行ったところ,酸化グラフェンとの比が50%程度でも分散するが,しばらくすると沈殿した。添加濃度比を1000%とすると長時間沈殿しなかった.加熱還元は加熱によって酸化グラフェンの酸素官能基を減じて極性を低減させる.酸化グラフェンを100℃以上程度に加熱するだけで潤滑油に分散できたがすぐに沈殿した.加熱温度をもっと高温にすると沈殿がかなり少なくなった. これらの酸化グラフェン分散潤滑油を用いて,往復摺動タイプの摩擦試験機を用い摩擦実験を行った.基板を加熱せずに室温で摩擦実験を行ったところ, 加熱した酸化グラフェンの方が摩擦係数が小さい傾向にあった.基板温度120℃で摩擦実験を行ったところ,化学修飾と加熱還元ともにあまり酸化グラフェンの添加効果が得られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた,酸化グラフェンの潤滑油への分散性向上は,加熱温度,分散剤の最適化で達成できた.また摩擦試験に関しても順調に行えた. ただ摩耗に関して,摩耗を定量的に測定するための測定装置が無く、光学顕微鏡で摩耗幅のみを測定したものであった.この点に関しては3D形状を測定できる共焦点レーザー顕微鏡を購入することで解決できた.
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Strategy for Future Research Activity |
分散性向上、摩擦試験に関しては研究計画通りに行うことができている. 今後も研究計画通り,他添加剤との協調効果を行う,低温での摩擦実験を行う.
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Research Products
(5 results)