2020 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of in-situ observation method for solidified elastohydrodynamic films
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17H03166
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
八木 和行 九州大学, 工学研究院, 准教授 (50349841)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 弾性流体潤滑 / FT-IR / 固化 / アルコール / その場観察 / 吸収スペクトル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度には、前年度までと同様のFT-IR測定装置と実験装置を使用して固化膜の吸収スペクトルの測定を行った。この実験装置は、回転するディスクと鋼球とのすべり転がり接触が可能な構造である。潤滑面の片側表面であるディスクの材料には、耐圧性および耐摩耗性が高いサファイアおよび,長波長域まで赤外線を透過するフッ化カルシウムを使用した。潤滑油については、主にアルコールの一種であるドデカノールを使用した。このほか、代表的な合成潤滑油であるポリアルファオレフィンも比較のために使用した。運転条件は表面の摩耗をできる限り避けるため、純転がり条件で行った。測定点については,すべり方向中央部を入口部から出口部まで測定点を移動させて数点計測を行った。 実験の結果、ポリアルファオレフィンの場合とドデカノール場合の吸収スペクトルにおいて,高圧部となる潤滑面では明確な違いが観察された。比較対象とした吸収スペクトルは2850cm-1付近で検出されるCH2対称伸縮振動と,2930cm-1付近で検出されるCH2逆対称伸縮振動である。大気圧中では,両潤滑油ともに比較対象としたスペクトルの形状は同一であり,逆対称伸縮振動由来のものの方が強度が大きい。ポリアルファオレフィンの場合,低圧部である入口部から潤滑面にかけて,逆対称伸縮振動由来の吸収スペクトルが対称伸縮振動のものと比較して相対的に大きくなっていった。これに対してドデカノールの場合には,両吸収スペクトルの強度が潤滑面に近づくにつれて等しくなる挙動を示した。ドデカノールの場合に観察された吸収スペクトルの傾向は,温度を低下させて固体化した場合のものと同様のものであり、また、過去の研究で観察された固体化したアルコールの吸収スペクトルの傾向とも一致していた。以上のことから,潤滑面内ではドデカノールは固化を起こしていることを立証することができた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)