2017 Fiscal Year Annual Research Report
ゲル微粒子の疑似反磁性操作によるバイオハイブリッド3次元造形技術の創出
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17H03202
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
秋山 佳丈 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (80585878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 大介 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (90547019)
小関 道彦 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (50334503)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 相対的反磁性アセンブリ / ゲル微粒子 / マイクロマシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,2種類のゲル微粒子を自発的に凝集させ造形するという新しい概念に基づき,研究代表者独自の非磁性粒子を磁場により凝集させる手法を用いて,生体適合性の高いバイオハイブリッド3次元造形法の確立を目指している.特に,このゲル微粒子に熱応答性高分子を含ませることで熱収縮性のアクチュエータとし,これを駆動源とするマイクロマシンの造形と動作を実証する. 本年度は,まず,本造形システムに適した新規ゲル微粒子として,正および負の電荷をもった温度応答性のゲル微粒子を開発した.水系沈殿重合法により,温度応答性水溶性モノマーN-isopropylacrylamide (NIPAm)を含むゲル微粒子を作製し,そこへ,アミノ基を付与することで正電荷をもったゲル微粒子を,スルホン基を付与することで負電荷をもったゲル微粒子を作製した.まずピンセットによりこの凝集体が十分な強度をもつことを確認した.そして,このゲル微粒子の温度応答性をもつことを確認した.正および負に帯電したゲル微粒子を等量混合し作製したゲル微粒子凝集体を顕微鏡下において,25度から40度まで加熱したところ,面積において19%程度の収縮が見られた.また,このゲル微粒子のマウス繊維芽細胞3T3に対する毒性を,乳酸脱水素酵素法により評価し,十分に低いことを確認した. 一方,ゲル微粒子凝集体を局所的にレーザ照射により加熱するシステムを構築した.まず,近赤外ファイバーレーザを対物レンズにより集光することで,スポット径が数十マイクロメートルまで絞られることを確認し,さらには,水溶液に照射した際に,加熱による熱対流が起きていることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず,初年度の目標の柱である本造形システムに適した新規ゲル微粒子の開発においては,開発したゲル微粒子が,強度,温度応答性,細胞毒性において十分に必要条件を満たしていることを確認できた.さらに,レーザを利用した局所加熱システムについても,当初の予定通り構築することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,まずゲル微粒子凝集体の力学的特性の評価する.そして,ゲルマシンの一例としてU字形状凝集体の形成を目指す.磁場解析によりU字形状へのゲル微粒子を凝集させるために必要な磁場を決定し,その磁石アレイを構築する.そして,U字型凝集体を構築する.また,レーザ加熱システムにスキャン機能を追加することで,ゲル微粒子構造体の任意の部位を照射することができるシステムの構築を目指す.
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