2019 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ空間中の電気インピーダンス測定によるウイルスセンシング法の創成
Project/Area Number |
17H03246
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 貴富喜 東京工業大学, 工学院, 准教授 (20322688)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | ウイルス / ウイルスセンサ / ナノ流体デバイス / ナノポア / 電気計測 / インピーダンス / 単一ウイルスセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ナノ空間の高電界中で得られる非線形な電気インピーダンス応答を利用して,ウイルスやバクテリアを単一粒子レベルでセンシングする新手法の創成を目的としている。今年度は,これまでの複雑なデバイス作製法を見直し,より簡単かつ迅速で収率の高いナノ流路やナノポアチップの作製法と,それを組み込んだ携帯可能な小型計測デバイスを作製し,ウイルスやバクテリアの計測能を評価した。新しいナノポアチップ作製方法は,我々が以前に開発した真空紫外光接合法を利用して厚さが数ミクロンのガラスフィルムを土台となるガラス基板に接合し,接合したガラスフィルムの中心に収束イオンビームでナノポアを形成することにより,任意サイズの孔径を有するナノポアチップを簡単かつ迅速に作製する手法の開発に成功した。さらに,これまでの寿命が短い測定電極を見直し,長期安定的な電流計測を実現するための銀/塩化銀電極の作製法を開発した。これらナノポアチップと測定電極を3Dプリンタで作製したマイクロ流路内に組み込むことによって,一辺数cmサイズの携帯可能な単一ウイルス・バクテリア計測デバイスの作製に成功した。 作製したデバイスの評価に当たっては,まず,ある特定の孔径を有するナノポアが測定可能な粒径の範囲,および,粒径と電流値の関係などの基礎特性を,直径が数10ナノメートルから数ミクロンのラテックスビーズを用いて評価した。さらにその結果を基に,不活化インフルエンザウイルス,バキュロウイルス,Qβウイルスなどの種類も大きさも異なるウイルスや,大腸菌や乳酸菌などのバクテリアの計測を行い,いずれにおいても単一粒子計測に成功した。また,粒径と表面のゼータ電位を同時に評価してクラスター解析することにより,測定したウイルスやバクテリアの種類を同定することに成功した。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|