2017 Fiscal Year Annual Research Report
Human motion detection and estimation by using Millimeter-wave motion sensing MIMO radar
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17H03261
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 寛喜 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20251788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 正吾 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30295472)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MIMOレーダ / ミリ波レーダ / モーションセンシング / スパース信号処理 / イメージングレーダ / マイクロドップラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマは,ミリ波電波レーダによる人物等のモーション・センシングの実現を目指し,位置や動きの検出のみならず,動作の同定を通して,生活をより豊かにし,安全を確保するライフサポートシステムとして実用に資するセンサを開発することを目指している.その実現のため,本研究では,ミリ波帯で安定した性能を発揮するMIMOレーダを開発し,さらに人物の動きとドップラ周波数変動の分布を様々な観点から評価し,モーションセンサとしての特性を明らかにする.このようなセンサの実現は,ミリ波帯の利用促進に加え,カメラ等の既存センサの不得意領域を補完するものであり,センサフィージョンによるより豊かな生活環境実現のための要素技術の一つとして重要なものである. 平成29年度は,ハードウェアの点では,本研究の根幹をなす2送信4受信のミリ波MIMOレーダの製作を完了した.本研究では,仮想アレー化による高分解能化が一つのカギであるが,Khatri-Rao仮想アレー化技術が空間アレーのみならず,周波数データに対して有効であることを明らかにした.また空間アレーにおいては送信2素子,受信が4-8素子時における最適アレー配置問題を解き,既存の配置以上に有効な配置が存在することを示した.これらの検討成果がアレーの設計に生かされている.また,信号処理手法においては,折り返しひずみを有するドップラ周波数推定アルゴリズムを開発した.これは見かけ上のドップラ周波数およびビート周波数(位置)を用いたドップラ周波数の折り返し回数を推定するものであり,仕様を上回る速度を有するターゲットが存在した場合であっても,この補正を可能とするののである.複素レーダ画像処理においては,複素スパース信号処理による特徴量の抽出手法の手始めとして,特徴量をもとにした雑音除去アルゴリズムを開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りMIMOレーダの試作,折り返しひずみを有するドップラ周波数推定手法の開発,KR仮想アレー手法の理論的最適化を終えている.また複素レーダ画像の処理においても,ターゲットの特徴量をもとにした雑音除去(SNR)アルゴリズムを開発し,次年度以降のターゲットの特徴量抽出の準備が整っている.なお,当初MIMOレーダ方式としては同時送信するSlow-time MIMO方式とすることを予定していたが,その後の折り返しひずみを有するドップラ周波数推定手法の検討により,各送信チャネルのドップラ応答が干渉するSlot-time MIMOより,まったく干渉しない時分割方式MIMOの方が,受信後の処理により,正しく補正しやすいことが明らかとなったため,ハードウェアは時分割MIMO方式のレーダとした.なお,ハードウェア自体はSlow-time MIMOとしての動作も可能となるよう設定している.この点のみが当初の計画から変更されているが,レーダ自体の分解能などの劣化は無く,むしろ当初予定していた方式よりも,より柔軟に幅広い動きを有するターゲットの対応可能なものとなっている.この点は,以降の実証実験等で確認したい.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度試作を終えたレーダのキャリブレーションを含めた,基本動作チェックののち,まずは,昨年度明らかにしたKR仮想アレーの周波数データへの有効性,最適アレー配置に関する実験を行い,KR仮想アレー技術の基本特性を実験により実証する.同時に,昨年度考案したドップラ周波数において折り返しが生じる高速ターゲットの折り返し数推定実験を行い,その分解能特性を明らかにし,さらにMIMOアレーに用いた際の適用手順などをレーダ信号処理の観点から最適化する. 以上の検証実験後,今年度は比較的狭い観測領域である屋内(大学実験室内)の人物の動き,およびやや広い観測領域である交差点周辺のターゲット(人物,自転車,自動車)を想定した実験を多数行い,実験データを収集し,データベース化を行う. スパース解析においては,これらのデータベース画像をもとに,各ターゲットがどのような特徴量を有しているかの解析を進める.なお,特徴量の解析においては単なる二次元画像(距離と方位)のみならず,ドップラ(速度)を含めた多次元データへ拡張し,レーダで検出できるターゲットの固有情報の活用を進める.
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Research Products
(11 results)