2019 Fiscal Year Annual Research Report
細胞生物学および計算生物学の手法を用いた消毒機構の定量的評価に関する研究
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17H03331
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
大瀧 雅寛 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70272367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 敬 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50252226)
相川 京子 (小島京子) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80262351)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 塩素消毒 / オゾン消毒 / 紫外線消毒 / 蛍光タンパク質 / フローサイトメータ / 人工DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌細胞内の損傷部位を特定し,かつ被損傷菌の損傷レベルを定量的に把握する研究については,当初の計画どおり,既に確立したGFP発現大腸菌(DH5α)を用いた塩素処理並びにオゾンばっ気水による殺菌実験を行い,フローサイトメータによる細胞毎のGFP残存性の定量化,および低分子染色剤(7-AAD)による細胞毎の膜透過性の定量方法を試みることができた.その結果,塩素処理においても,オゾンばっ気による処理においても,不活化率が99.99%以上の状況では膜損傷は数%にも至っていないことが明らかとなった.しかしオゾンばっ気処理においては細胞外へのGFP漏出がないにも関わらず細胞内のGFP残存性が低下したことから細胞内へ浸透したオゾンがタンパク質に作用したことが考えられた.この現象はオゾン溶解水では見られなかったことから,オゾンばっ気処理の特徴であることがわかった.また各処理後の細胞膜損傷に与える界面活性剤(デスオキシコール酸塩など)の作用についても併せて検討を行った結果,オゾン,塩素処理のいずれにおいても大腸菌の外膜,細胞壁に有意な損傷を与えず,菌体内部に浸透して内部機能に損傷を与えて不活化させることが考察された. ウイルスの核酸配列から紫外線耐性を推定する研究においては,紫外線反応部位の多寡を人為的に調整した人工核酸種(DNA)を作成し,そのDNAへの紫外線反応性を検出する手法の確立を目的としたが,紫外線照射量を増やすことでqPCRによる検出はできたものの低感度にとどまった.その他,酵素反応の利用による高感度検出法については,原理的には可能な筈だが確立できていない.これについては申請研究期間終了後も継続して行う予定である.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)