2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of requirement definition and planning procedure for Smart City.
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17H03354
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下田 吉之 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20226278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 容平 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40448098)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 都市エネルギー / スマートコミュニティ / シミュレーション / 要件整理 / 事例調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
今後のスマートシティ(スマートコミュニティ)の備えるべき要件について、都市計画面とエネルギー性能面の両面から研究を進めている。 都市計画面では国内9カ所のスマートコミュニティの実例調査により、スマートコミュニティ全体に共通して見られる特徴を抽出し、その備えるべき要件を明確にした。また、国際共同研究IEA-EBC Annex63の成果で得られた、望ましいスマートコミュニティ開発を導く上で必要なStrategic Measureを日本の状況を踏まえて改定した。また、北九州市城野地区の開発実態について実際に訪問して取材をおこなった。 エネルギー性能面では、スマートコミュニティのエネルギー性能を正確に表すことのできるシミュレーションプログラムを構築した。まず、2019年11月に街びらきを迎えた大阪府下のスマートコミュニティを忠実に再現したモデルを作成し、完成後のエネルギー消費を予測した。同コミュニティでは燃料電池、太陽電池、蓄電池を備えた三電池システムとなっているが、本年度は特に燃料電池の排熱回収システムに関して高度化をおこなっている。次に、各種技術の効果を一般的なスマートコミュニティにおいて評価するため、上記のモデルを一般的な形に展開し、太陽光発電とヒートポンプ給湯機を有するモデルを作成した後、ゼロエネルギー性能、CO2排出性能、停電時の生活継続性能等を評価指標として、建物の方位など街区形状の影響、居住者の世帯構成の経年変化の影響についてシミュレーションを実施した。また、今後普及が予想される電気自動車の充電による電力収支への影響についてもシミュレーションによる検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上に掲げた都市計画面とエネルギー性能面(シミュレーション技術面)の両面で査読論文あるいは国際会議に発表するなど充分な成果を挙げることができた。シミュレーション技術に関しては燃料電池の複雑な排熱回収機能や、屋外の熱環境改善などパッシブ技術を含めてシミュレーションできるようになっており、20年度に予定される実測データを用いた検証を含め、各種の展開が期待できる。 都市計画面では査読付き論文の採択には至らなかったものの、2019 International Conference of Asia-Pacific Planning Studies (2019 ICAPPS)において、発表学生が Best Paper Presentation Award を受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
都市計画面の研究では、更に海外の事例を調査することを含めて事例の集積・分析を進め、最終年度としてとりまとめをおこなう。 エネルギー性能面の研究では、実際のスマートコミュニティにおける詳細なエネルギーデータの収集をおこない、機器保有や住まい方に関するアンケート結果と併せてシミュレーションの検証をおこなうほか、電気自動車の充電をモデル化するなど将来技術の評価を充実させる。
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