2017 Fiscal Year Annual Research Report
建築・聖教・美術から見た新義・古義を包括的に捉える日本密教史の再構築
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17H03372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山岸 常人 京都大学, 工学研究科, 教授 (00142018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 雅行 京都学園大学, 人文学部, 教授 (10171399)
藤井 雅子 日本女子大学, 文学部, 准教授 (20440084)
坪内 綾子 日本女子大学, 文学部, 助教 (20794811)
永村 眞 日本女子大学, 文学部, 研究員 (40107470)
中川 委紀子 日本女子大学, 文学部, 研究員 (70618991)
冨島 義幸 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80319037)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 文書・聖教 / 新義真言 / 建築 / 美術 / 教相・事相 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研費による調査・研究は、28年度までの基盤盤研究(B)「根来寺史の総合的研究に基づく中世後期寺院社会像の再構築」(以下前科研と称する)を継承・発展させる内容のものであり、調査・蒐集史料も前科研を継承している。このためまずは新義真言教団の中核となる根来寺寺史関係史料稿の完成を急ぎ、項目選定と史料再確認作業を継続した。 史料調査としては、新たに長谷寺所蔵史料の調査が可能となり、近世根来寺や新義真言教団の活動を解明する重要な手がかりが得られることとなった。予備調査の後、第一段階として「萬記録」の一部の調査し、近世の新義真言教団の動向を示す史料を多数蒐集した。同じ新義真言教団のもう一方の本山である智積院の聖教については、前科研の成果を引き継ぎ、写本を中心に調査を実施し、必要史料の8割程度を調査し終えた。根来寺所蔵の史料については、前科研に継続して調査を実施している。特に根来版の版木の調査をほぼ終了した。 根来寺の美術作品についても前科研に引き続いて実施し、絵画・不動堂五大尊などの詳細な調査を実施した。建造物については、棟札等の関連金石文史料の補足調査や不動堂墨書の精査を実施し、境内主要建造物の建築史的特質を報告書にまとめることができた。 また関連寺院所蔵史料のうちの写真ネガフィルムのあるものについて、デジタルデータに変換し、今後のデータベースとしての活用に備えた。 以上を踏まえて、各蒐集史料の整理と分析作業を継続した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
懸案であった長谷寺の所蔵史料の調査が可能となり、研究が進展した。その他の調査は順調に進展している。 編年史料稿は概ねできあがっているが、資料の点検に手間取り、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
史料調査については長谷寺・智積院所蔵史料の調査継続を行うと共に、他の関連寺院の調査の交渉に当たる。美術作品については根来寺所蔵のものを中心に精査を続ける。関連寺院史料。美術作品の調査にも当たる予定である。同時に課題の目的に向けた史料分析を、各分担者が推進し、最終的成果の取り纏めに向けた考察の作成準備にかかりたい。
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Research Products
(3 results)