2019 Fiscal Year Annual Research Report
環境DNAを用いた回遊性魚類分布推定と河川工作物の影響評価
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17H03623
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荒木 仁志 北海道大学, 農学研究院, 教授 (20707129)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 環境DNA / 河川工作物 / 魚類相 / 回遊性魚類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、生態学分野において発展目覚ましい「環境DNA」を用いて、地域特異性の高い回遊性魚類の生物分布や季節性、河川工作物の影響を客観的かつ網羅的に解明することを目的としている。河川工作物には大規模なダムから大小さまざまな堰堤・カルバートなど様々なものがあり、また新たに魚道を新設した場所など、その形態は多岐にわたる。これら個別の状況を体系立てて整理し、環境DNAメタバーコーディングと呼ばれる手法により、工作物上下の魚類相を明らかにするのが目下の目標となっている。 最終年度となるH31, R1年度は過去二年合計250におよぶ河川サンプルの分析を終え、これらのデータ比較・統合を行った。これにより、広い北海道を網羅する形で河川内の魚類相が明らかになった。また河川工作物の改良・撤去が進む世界自然遺産・知床半島の河川に注目し、半島内約40の河川についても集中的な調査・分析を行った。その結果、比較的移動性の少ないサケ科魚類オショロコマは半島内全ての河川に生息していることが分かる一方、遡河性回遊魚であるサクラマスの分布は不均一になっており、河川形状や河口近くに設置された河川工作物の影響を強く反映した分布となっていることが分かった。 これらの研究成果は共に招待演者として招かれた北太平洋溯河性魚類委員会(NPAFC, アメリカ・ポートランド)や北太平洋海洋科学機関(PICES, カナダ・ビクトリア)の昨年の国際ワークショップや環境DNA学会(神戸)で発表したほか、「DNA鑑定などに関する勉強会(山形)」での招待講演等でも発表を行い、専門家・一般市民を交えての情報交換を行った。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)