2019 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanisms of Environmental Epigenetics
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17H03631
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
稲垣 毅 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (10507825)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エピゲノム / ヒストン脱メチル化酵素 / 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ヒストン脱メチル化酵素JMJD1A(S265)のリン酸化が、褐色脂肪での熱産生制御と白色脂肪の褐色化(ベージュ化)においてそれぞれ重要な役割を果たすことを見出した。これらの結果は、JMJD1Aのリン酸化を維持することで脂肪細胞の性質を制御できる可能性を示唆するものであったため、創薬シーズになる可能性を考慮してJMJD1Aの脱リン酸化酵素の同定を目指した。非天然型アミノ酸であるベンゾイルフェニルアラニン(BPA)がUV 刺激により近傍のタンパク質と光架橋側鎖を介して共有結合を作る性質を利用し、特異的にJMJD1Aに結合する脱リン酸化酵素の同定に取り組んだ。JMJD1A 配列のS265 近傍にBPAを組み込んだペプチドを2 種類(リン酸化型、非リン酸化型)用意し、アドレナリン刺激したiscWAT細胞抽出液と混合したのち、UV架橋してリン酸化S265 含有ペプチドに結合するタンパク質の質量分析を行った。その結果、リン酸化JMJD1A(S265)の脱リン酸化酵素として、セリン/スレオニンプロテインフォスファターゼ触媒サブユニットおよび触媒サブユニットの基質特異性を決定する調節サブユニットを同定した。さらに本研究ではベージュ化の機構に注目し、リン酸化JMJD1Aが標的遺伝子領域へのリクルートメント(第一段階)とヒストン脱メチル化活性(第二段階)の二段階制御を受ける機構を見出した。この二段階制御機構の調節に代謝物が関与する可能性を検討するため、JMJD1Aを含むJmjCドメイン型ヒストン脱メチル化酵素の補酵素としてαケトグルタル酸と二価鉄が必須であることに注目した。脂肪細胞分化過程における濃度変化とこれらの代謝物が分化に与える影響を検討した結果、時期特異的なαケトグルタル酸濃度変化をみとめ、同時期の鉄欠乏が脂肪細胞分化に影響を与えることを見出した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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