2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H03640
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石谷 隆一郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任教授 (90361568)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / 膜タンパク質 / 多剤耐性菌 / 薬物動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体は常に有毒な有機分子にさらされているが、細胞は防御策としてこれらを排出する機構を有している。この排出機構の分子実体は膜タンパク質である「排出輸送体」である。本研究では有機分子の排出機構に着目し、多剤排出輸送体MATEの構造解析を行った。 真核生物由来MATEに関しては,シロイヌナズナ由来MATE輸送体AtDTX14の外向き開状態の構造を決定し、構造に基づいた変異体解析を行い、輸送機構を検証した。構造に基づいたMDシミュレーションを行い、外向き開状態から、内向き開状態への構造変化メカニズムを調べるために、内向き開状態のモデル構造をホモログである脂質フリッペースMOPの構造をもとにモデリングし、シミュレーションを行った。Targeted MDを用いて力をかけたうえで構造変化のパスウェイの検討を行った結果、細胞外側のN-bundleとC-bundle側のインターフェイスに力をかけ、結晶構造で見られた距離から、モデル構造に対応する距離まで開くように大きなひずみなしに構造変化がシミュレーションできた。 一方で、真正細菌由来のMATEであるVcmNについても構造解析を行った。本構造解析の結果から、VcmNはH+駆動力依存的なTM1折れ曲がりにより基質を排出することが示唆された。 そして、本計画の総まとめとしてBiochim Biophys Acta誌に多剤排出輸送体MATEの構造解析と機能に関するreview記事を執筆した(Kusakizako T, et al., Biochim Biophys Acta Biomembr. 2019 doi: 10.1016/j.bbamem.2019.183154.) 。MATEの構造解析は、米国のグループが低分解能の構造に基づいた信頼性の低い輸送機構を提唱していたが、本研究計画の結果により、より分解能の高い構造に基づいた、信頼性の高い輸送機構が提唱された経緯などを紹介した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Crystal structure of Drosophila Piwi2020
Author(s)
Yamaguchi Sonomi、Oe Akira、Nishida Kazumichi M.、Yamashita Keitaro、Kajiya Asako、Hirano Seiichi、Matsumoto Naoki、Dohmae Naoshi、Ishitani Ryuichiro、Saito Kuniaki、Siomi Haruhiko、Nishimasu Hiroshi、Siomi Mikiko C.、Nureki Osamu
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 11
Pages: 858
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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