2018 Fiscal Year Annual Research Report
The molecular mechanism of Hox gene regulation by leukemic fusion proteins
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17H03679
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
岡 正啓 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 細胞核輸送ダイナミクスプロジェクト, プロジェクトリーダー (40432504)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / ヌクレオポリン / 白血病 / HOX / 融合遺伝子産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホメオボックス(HOX)遺伝子は形態形成や細胞分化に重要な働きを持つ遺伝子であり、またその発現異常は様々な病態と深く関わっている。HOX遺伝子群はゲノム上にクラスターを形成して存在しており、とくに発生過程ではその発現パターンが緻密に制御されている。しかしながら、その発現制御メカニズムについては未だに不明な点が多い。本研究では核膜孔構成因子(ヌクレオポリン)と様々なパートナー因子で形成されるヌクレオポリン融合遺伝子産物の機能解析を通して、多くの白血病種で異常が見られるHOX遺伝子発現制御の分子メカニズムの解明を目指す。本年度はヌクレオポリン融合遺伝子産物以外の白血病因子にも対象を広げ、HOX遺伝子を活性化することが知られている様々な白血病因子を発現するヒト白血病細胞株を用いて、それらのゲノムDNAとの相互作用や遺伝子発現の特徴について解析を進めた。その結果、ヌクレオポリン融合遺伝子産物以外の白血病因子の中にも、Nup98HoxA9と同様に、核外輸送因子CRM1と共にHOX領域に集積して存在しているものがあることが明らかとなった。さらに、同白血病因子を発現する細胞株では、HOX遺伝子の発現がCRM1阻害剤に対して強い感受性を示す事が明らかとなった。また、これまでに樹立した蛍光タンパク質のタグを付加したヌクレオポリン融合遺伝子産物の安定発現細胞株を用いて、融合タンパク質の局在を変化させる複数の低分子化合物を見出すことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
白血病因子の中には核外輸送因子CRM1と共にHOX領域に集積して存在しているものがあることが明らかとなった。また、これらの白血病細胞株では、HOX遺伝子の発現がCRM1阻害剤に対して強い感受性を持つ事が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、核外輸送因子CRM1と共にHOX領域に集積する白血病因子の相互作用がもたらす効果について、解析を進める。また、ヌクレオポリン融合タンパク質の細胞内局在を変化させる低分子化合物について、その作用メカニズムの解析を進める。
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