2020 Fiscal Year Annual Research Report
Structure and function of light-driven magnetoreceptors for GPS in animals
Project/Area Number |
17H03710
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡野 俊行 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40272471)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 磁気受容 / 光受容 / ラジカル反応 / クリプトクロム |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書に記載の研究計画に基づき下記の研究を行った。 【1】鳥類および魚類の光・磁気受容体クリプトクロムの光反応機構の解析 酵母において発現に成功したニワトリおよびゼブラフィッシュのクリプトクロム4(cCRY4およびzCRY4)を大量かつ高純度に精製し、種々の条件を変えて光反応を測定した。特異値分解法を用いて光反応経路を詳細に比較・検討した結果、cCRY4の光反応だけに温度依存性が見られることを発見した。cCRY4とzCRY4の一次構造は、光情報伝達を担うと推定されるカルボキシル末端側領域で大きく異なることを鑑み、その欠失変異体を作製した結果、カルボキシル末端側領域が温度依存性に寄与する可能性が示唆された。 【2】鳥類網膜におけるCRY4の情報下流の解析 これまでに、鳥類においてCRY4が視細胞外節に存在し、赤オプシンと相互作用することが免疫組織化学等から示唆されている。そこで、生化学的にニワトリ視細胞外節を単離し、CRY4の細胞内での分布を調べたところ、視細胞外節に局在することが判明した。これらの結果から、赤オプシンが発現する赤錐体もしくは二重錐体において磁気を受容する可能性が示唆された。 【3】光・磁気受容体クリプトクロム4の光反応過程の解析 クリプトクロムの磁気受容においては、発色団FADが受容した光によってラジカル対がタンパク質内に形成され、それに対する磁場効果が鍵を握るとするラジカルペア仮説が有力である。これまでの光回復酵素等の解析から、発色団近傍の3つのトリプトファン残基が光反応に関わると推定されているため、これらの変異体を作製し、安定に発現する条件を検討した。得られた変異体タンパク質を用いて光反応を解析したところ、光反応効率の大幅な低下が見られた。このことから、磁気受容におけるラジカル対形成においても3つのトリプトファンが機能している可能性が強く示唆された。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)