2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H03860
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 政人 京都大学, 農学研究科, 助教 (60263125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀部 智久 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (20467468)
鷲尾 洋平 近畿大学, 水産研究所, 助教 (60771681)
家戸 敬太郎 近畿大学, 水産研究所, 教授 (90330240)
有馬 祐介 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (90402792)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メダカ / ビテロゲニン / 緑色蛍光タンパク質 / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロインジェクション法を用いないで、迅速にゲノム編集を行う方法の開発を目指している。その方法の1つとして、魚類で一般に見られる、肝臓から卵への卵黄タンパク質ビテロゲニンの輸送システムの利用を考えた。まず、メダカのビテロゲニン遺伝子を in silico で単離し、既報の他魚種のビテロゲニンタンパク質と比較した、その結果複数の魚類で共通のシグナル配列が翻訳産物の5’側に存在することを見出し、その領域を含む約900塩基に着目した。この900塩基の下流に、緑色蛍光タンパク質遺伝子を連結したものを、エストロゲンの刺激により肝臓で遺伝子発現を誘導するコリオゲニンHプロモーターの下流に配置した人工遺伝子をメダカ受精卵に導入した。この第1世代(遺伝子導入を行なった個体)において、肝臓で発現された緑色蛍光タンパク質が卵に移行していることが確認された。つまり、卵には遺伝子は導入されていないが、タンパク質は肝臓から輸送され、緑色蛍光タンパク質が蓄積されていた。このように、ビテロゲニン遺伝子から単離した約900塩基には、肝臓から卵にタンパク質を輸送する能力があることが明らかとなった。 また、メダカ成魚のあらゆる組織に簡便に遺伝子を導入するシステムを開発するために、脂質に目的の遺伝子を付着させたリポソームの使用を試みた。その結果、リポソームを用いて組織に遺伝子導入を行った場合、用いない場合に比べて、広範囲に遺伝子導入が起こり、また、その遺伝子の発現期間も長くなることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓から卵に輸送するシグナルの特定ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、肝臓以外で発現させたタンパク質を卵に輸送するシステムの開発を行う。また、成魚の組織に効率的に遺伝子を導入する方法の開発を行う。
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Research Products
(2 results)