2017 Fiscal Year Annual Research Report
多方向ライダー計測による植物群落3次元計測法並びに植物構造・生理統合解析法の開発
Project/Area Number |
17H03898
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細井 文樹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (80526468)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 庸 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (00323486)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | リモートセンシング / ライダー |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、SLAMシステムをUAVと地上の両方で使用し、ブラインドエリアを極力減らすべく、複数の測定条件を設定して樹木の測定を行った。具体的には、地上の場合はレーザービーム入射角や移動速度、UAVの場合はさらに飛行高度やフライトコースなどの条件を複数設定し、それぞれの条件での3次元点群データ取得を行った。それぞれの条件で最終的に得る3次元点群画像の精度の違いがあり、その違いについて実測との比較により明らかにした。3次元データ取得後、プラットフォームを車にした場合と徒歩の場合の比較や、解析に必要な点群データから個々の樹木や植物個体を分離する方法、SfMを用いた場合のデータ解析法、深層学習の適用による植物データ解析の効率化・高精度化など、本研究目的も含め、植物構造解析全般に適用可能な方法論の開発も同時に行い、成果を得ることができた。 植物3次元画像への植物生理情報2次元画像の統合法については、対象植物のカメラ画像とライダーによる3次元画像とを同時に解析し、3次元と2次元画像統合アルゴリズムを確立することができた。カメラの種類を変えた場合や対象植物の種類、サイズを変えた場合の検討も行い、それぞれの条件における画像合成方法を確立した。ライダーの点群データ密度やカメラの解像度など、解析負荷にかかわる部分も検討し、目的に応じた画像設定の必要性を見出した。さらに測定時の光環境などの周辺環境が本方法に及ぼす影響についても検証し、環境影響を少なくするための測定方法についても考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な測定条件で取得したライダーによる樹木の3次元データセットの解析について、データ形式やプログラムの調整が必要であったため、それを行った。また、地上データとUAVデータの位置合わせも行った。このような処理ののち、ブラインドエリアの多少を示すΩ指数の計算を一部開始した。植物3次元画像への植物生理情報2次元画像の合成法については、そのアルゴリズムを確立したが、カメラ画像以外の画像の合成も可能となり、構造特性と生理特性の統合解析を行うベースを得ることができた。実測のための機器も購入し、本方法の実証と精度検証のための環境も整えた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は各測定条件ごとに取得された点群画像データセットに対してΩを計算し、どのような条件がブラインドエリアを減らすのに効果があるか、また実際の群落構造パラメータである葉面積密度の誤差評価を行い、ブラインドエリア削減のための条件出しを行う。植物3次元画像への植物生理情報2次元画像の合成法については、統合画像の位置ずれの精度評価と植物内ピグメント算出方法や蒸散能力推定などの基礎的検討をさらに継続して行う。さらに対象群落を複数設定し、対象サイズや形状を変えた際の本方法の有効性を継続して検証していく。また、2次元画像装置としてマルチスペクトルカメラを入手し、画像統合法を適用し、実測との比較から精度検証や問題点の有無を確認していく。
|