2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel anti-cancer strategy targeting protein phosphatases
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17H03915
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大浜 剛 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (50579018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大松 勉 東京農工大学, 農学部, 准教授 (60455392)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / PP2A |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、停滞感のある抗がん剤開発の分野に対して、旧来の分子標的薬開発とは逆転の発想である「ホスファターゼを活性化する創薬」を提案するための基盤になることである。具体的には、最近申請者が発見した、重要ながん抑制因子であるホスファターゼPP2A、PP2A阻害タンパク質SET、および転写因子E2F1から構成されるシグナル伝達「SET/PP2A/E2F1軸」が、がんの悪性化を引き起こす分子機構と、イヌおよびヒトの腫瘍における役割の比較検証を行う。 本年度は、まず、正常組織中でのSET発現パターンを解析した論文がPlosONEに採択され9月に公開された。この中で、SETは上皮細胞のみならず、一部の免疫細胞や間質細胞などにも発現していることを明らかにした。 イヌ骨肉腫細胞株においてSETは、PP2A活性を抑制することでERK1/2の活性化を引き起こし、がんの悪性度を高めていることを明らかにした。また、SET標的薬が単独でイヌ骨肉腫細胞株に対して抗がん作用を示すことに加えて、イヌ骨肉腫治療に用いられるcisplatinとの相加効果を発揮することを明らかにした。一連の成果は、Journal of Veterinary Medicineに採択され10月号に掲載された。 ヒト骨肉腫細胞株におけるSETの役割については、3種類のヒト骨肉腫細胞株についてSET発現抑制がシグナル伝達系に与える影響を、次世代シークエンサーを用いた網羅的な解析から明らかにした。現在、得られたデータをもとに、着目したシグナル伝達機構について詳細な検討を行っている。また、SET発現が腫瘍で上昇する分子機構についても、mRNA転写レベルおよびタンパク質分解レベルでの分子機構の一端を明らかにしている。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)