2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism and development for a sustainable rice cultivation system with extreme low level of input
Project/Area Number |
17H03951
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
上野 秀人 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (90301324)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
当真 要 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (10514359)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 水田 / 水稲 / 超低投入持続的農業 / マメ科緑肥 / 有機農業 |
Outline of Annual Research Achievements |
現地栽培実験を継続して行い、水稲の生育調査、土壌中の養分動態調査、土壌微生物活性、土壌微生物コミュニティ解析を行っている。ほぼ、予定通り進捗している。 水稲の生育調査および収量調査では、超低投入環境保全型水田の水稲生育は慣行栽培に比べて旺盛であり、収量も慣行栽培と同じか高く維持されていた。しかしながら、超低投入栽培においては、圃場の土壌養分特性が、水稲生育や収量に大きく表れることも明らかになってきた。これまでに4年間のデータが蓄積されており、特徴が明確化されつつある。 土壌中の養分動態調査では、新型コロナウイルス対策のため、研究が制限されたこともあり、一部のデータを得ることができなかったが、栽培期間中前後の窒素とリンを中心とした養分動態を明らかにしており、超低投入栽培においてマメ科緑肥を利用することの優位性が顕著に表れた。 土壌微生物活性として、土壌酵素であるβ-グルコシダーゼ、プロテアーゼ、L-グルタミナーゼ(デアミダーゼ)、酸性ホスファターゼ、アルカリフォスファターゼ活性を定期的に測定しており、超低投入栽培において栽培初期に高い活性が見られることを明らかにした。また、水田のバイオマス測定も行い、バイオマス窒素とリンが増加することも明らかにした。 土壌微生物の細菌コミュニティの測定では、水稲栽培期間中において、処理区間に大きな差は見られなかったが、栽培後の落水時には特定の細菌群が増加する傾向が見られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに進行している。土壌酵素活性測定は、プロテアーゼに加えて、L-グルタミナーゼを加えるなど、必要と考えられるデータについては幅を広げて行っている。水田土壌の微生物バイオマスについては、定法では測定は不可能であったため、クロロホルムを用いず、電子レンジで熱殺菌を行う方法を開発して、測定を行った。 新型コロナウイルス感染対策のため、所属大学から行動制限を受け、特定期間において研究が行えなかった。また学会発表が制限されている点は、予定と異なっているが、概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、これまでと同様に水稲栽培実験と調査を継続するが、最終年度になるため、これまでのデータを見直して、必要なデータを収集するともに、データを深く解析して、学術論文に発表を行う。
|
Research Products
(6 results)