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2017 Fiscal Year Annual Research Report

電柱鳥類学:電柱・電線を介した都市における人と鳥との共生関係の実態解明

Research Project

Project/Area Number 17H03957
Research InstitutionHokkaido University of Education

Principal Investigator

三上 修  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10404055)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森本 元  公益財団法人山階鳥類研究所, 自然誌研究室, 研究員 (60468717)
上野 裕介  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (90638818)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2021-03-31
Keywords都市鳥類学 / 電柱 / インフラ / 鳥害 / 電線
Outline of Annual Research Achievements

日本の都市に見られる、電柱、およびそれに架かっている電線は、都市の主要な構成要素の一つとなっている。この膨大にある電柱・電線を、鳥類が巧みに利用している。たとえば、さえずる場所、餌を探す場所、巣を作る場などどしてである。都市に生息する鳥類は、人間がここ100年程で作り出した電柱電線を、足場として利用しているといえる。これは、森林において、鳥類が樹木を用いているのと同じと考えることができるかもしれない。
鳥類が電柱・電線を使うことは、ヒトが都市生態系の中でエコシステム・エンジニアとして、鳥類に生息場所を提供する形の一つといえる。その結果、電柱・電線の存在は、都市の鳥類多様性を高めている可能性がある。一方で、鳥類が電柱・電線を使うことで、停電などの電気事故も生じ、人間社会に悪影響を及ぼしている。
そこで、本研究では、電柱・電線の存在が、都市の生物多様性の指標である鳥類多様性にどのように影響するのかを明らかにすることを目的とする。さらに、鳥類が電柱・電線を利用することで生じる悪影響についても評価する。その2つから、電柱・電線の存在と鳥類の関係を総合的に明らかにし、その関係のあり方を考察すること目的とする。
そのうち今年度は、函館市内および千葉市内において、基本的な調査を始めた。どのような鳥類が電柱・電線のどこを利用しているかを、どのような利用の仕方をしているのか、基本的な調査を始めた。いくつかのパターンが見られており、これをもとに来年度さらに詳しい調査に入る予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度は、鳥類がどのように電柱・電線を利用するかの基本的な状況を野外で確認することを目的としている。函館と千葉で、基本的な調査を開始した。種によって止まる場所が異なるなど、いくつかのパターンが発見できており、順調に進んでいる。
冬期に、サーモグラフィを用いて電線の温度を計測し、それが鳥類の電線への止まり行動に影響するかについても調査をしたが、はっきりした傾向は出ていない。電線の温度差があまり大きくないことと、止まる行動は、電線の温度以外のさまざまな要因に影響を受けるので、実際に効果があるとしても、それらにマスクされてしまっている可能性がある。はっきりさせるために、よほど大量のデータが必要になると考えられる。これについて、計画を練り直す予定である。
北海道電力函館支所にご協力いただいて、カラス類の巣の営巣状況、撤去状況などについて詳しくお話を伺った。いくつかデータの提供もいただいた。また、実際の撤去作業も見せて頂いた。これらのデータを活かして、カラス対策がどれくらい負担になっているかを明らかにする予定である。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定では、1年目、2年目で基本的なデータをとり、それを活かして、3年目に全国調査をする予定であった。しかし、それを行うには、3年目の金額が少々不足している(減額幅の計算が不十分であった)。そこで、計画を少し変更し、今年度の費用を一部来年度に繰り越し、来年度の後半に全国調査を始めることとした。
電柱の地中化の影響について調査をするために、いくつか機材を購入した。ただし、無電柱化区間は、それなりの景観であるから無電柱化するために、その影響を十分取り除けるか難しい部分がある。
北海道電力の函館支所の方からは、今後の連携について、相談が進んでおり、これを継続していく予定である。さらに、廃材となったアームをお借りできる予定がある。アームにはスズメが営巣をするので、アームの中での温度変化などを記録する予定である。
また、来年度は、電力中央研究所の方ともお会いして、情報提供を頂いて、鳥類がもたらす悪影響の部分を評価する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2018 2017

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 人の文化・歴史が、都市に生息する鳥類に与える影響(生態学会自由集会 人×自然×都市計画から考える新たな都市生態学の展開)2018

    • Author(s)
      三上修(北海道教育大)
    • Organizer
      生態学会
  • [Presentation] 電柱鳥類学:鳥の利用状況 ~都市鳥にとっての止まり木としての電柱の実態把握~2017

    • Author(s)
      森本 元(山階鳥研)・上野裕介(石川県立大)・三上 修(北海道教育大)
    • Organizer
      日本鳥学会 2017年度大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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