2019 Fiscal Year Annual Research Report
Synthetic and medicinal studies on bioactive indole alkaloids based on direct construction of polycyclic ring systems
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17H03971
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 浩章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30322192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井貫 晋輔 京都大学, 薬学研究科, 助教 (70736272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 天然物合成 / 連続反応 / アルカロイド / 金触媒 / 創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) アレンインを用いた金触媒連続環化反応の開発:申請者は前年度までの研究において、フェニレン基で連結されたアレンインを用いた立体選択的なシクロプロパン化反応とアセナフテン形成反応の開発に成功した。今年度は、本反応を多環式芳香族炭化水素の合成に展開した。アルキン末端にフェニル基またはアルキル基を有するアレンインを合成し、金触媒環化反応の検討を行った。その結果、末端にアルキル基を有するアレンインを用いた場合に、良好な収率で目的の反応が進行することを見出した。 (2) 麦角アルカロイド型縮環インドール骨格の一挙構築法の開発:昨年度に引き続き、金触媒を用いたナフタレン縮環型ピロール誘導体の合成反応の検討を行った。窒素置換基の検討を行った結果、本反応が特殊な構造を有するアミドを用いた際に特に良好に進行することを見出した。さらに基質一般性の検討を実施し、本反応が様々な置換基を有するナフタレン縮環型ピロールの合成に適用できることを確認した。 (3) ディクチオデンドリン類をリードとする創薬研究:これまでの研究において得られたディクチオデンドリン誘導体の生物活性評価を行った。キナーゼプロファイリング試験を行った結果、ピロロカルバゾールがキナーゼテンプレートとして有望であることが明らかとなった。 (4) アクアミリンアルカロイドの合成研究:前年度に引き続き、アスピドフィリンAの合成研究を実施した。鍵反応によって得られた四環性化合物に対する分子間アミノ化反応を検討したが、うまく進行しなかった。そこで引き続き、分子内アミノ化反応を利用する合成計画に変更した。O-アルケニル化とクライゼン転位によりC4ユニットを導入し、生じたホルミル基部分にアミンを作用させ、エナミン構造を構築した。引き続き、水酸基を脱離基に変換して塩基性条件に付したところ、低収率ながら目的の五環性化合物を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アレンインの連続環化反応について、新たな多環式芳香族化合物の合成反応を見出し、分子内アミノ化反応の一般性の検討も順調に進んでいる。さらに、ディクチオデンドリン型ピロロカルバゾールのキナーゼテンプレートとしての有用性を見出し、アクアミリンアルカロイドの合成は、低収率ながら五環性骨格の構築まで進めることができた。全体として、研究計画は概ね順調に推移していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) アレンインを用いた金触媒連続環化反応の開発:新たに見出した多環式芳香族化合物合成反応の条件最適化と一般性の検討を実施し、コラニュレン骨格の構築を目指す。 (2) 麦角アルカロイド型縮環インドール骨格の一挙構築法の開発:引き続き一般性の検討と多環式骨格構築の検討を行い、研究成果の取りまとめを行う。 (3) ディクチオデンドリン類をリードとする創薬研究:研究成果の取りまとめを行う。 (4) アクアミリンアルカロイドの合成研究:クライゼン転位反応、分子内アミノ化反応、およびE環構築反応の最適化を実施し、アスピドフィリンAの不斉全合成を目指す。
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Research Products
(17 results)