2019 Fiscal Year Annual Research Report
脂質代謝酵素ファミリーが織りなす生命現象と疾病:細胞応答から個体レベルの解析
Project/Area Number |
17H04012
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 知之 山形大学, 医学部, 准教授 (00333948)
田中 俊昭 山形大学, 医学部, 助教 (70536987)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / ストレス応答 / 炎症応答 / p53 / NF-kB / 酵素活性依存的 |
Outline of Annual Research Achievements |
リン脂質は、両親媒性の性質を持つことから脂質二重層を形成し、外界から隔離された「細胞」という微小空間の成立に寄与する。脂質二重層を構成するリン脂質は、グリセロ脂質であるジアシルグリセロール(DG)のリン酸化を起点として合成されるが、このDGはエネルギー代謝や情報伝達系とも密接に関与する。我々はこれまで、DGのリン酸化酵素DGキナーゼ(DGK)の遺伝子クローニングと形態学的解析に従事し、DGKファミリーの分子発現局在の多様性を解明してきたが、本研究では、各アイソザイムの機能解析を発展させ、DGKという脂質代謝酵素ファミリーから観た生命現象について細胞応答から個体レベルの解析を行うことにより、1)ストレス応答、2)炎症応答、3)生活習慣病、4)高次脳機能の病態解明に向けた研究基盤を確立することを目的とするものである。 本年度は、上記テーマの1)ストレス応答を制御する転写因子p53、および2)炎症応答を制御する転写因子Nf-kBについて、DGKアイソザイムのうち、ゼータ型DGK(DGKζ)による調節機構をさらに詳細に解析した。これまでの研究により、DGKζノックアウト細胞やsiRNAによるノックダウン細胞では、p53転写活性が抑制される一方、NF-kB転写活性は亢進することを報告してきたが、本年度は、DGKζによるこれらの調節機構が、DGK酵素活性に依存するか否かについての実験を施行した。その結果、DGKζは、その酵素活性に依存して、p53転写活性を抑制し、またNF-kB転写活性を亢進させることが明らかとなった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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