2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular and structural basis for transcription and replication mechanism of influenza virus genome
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17H04082
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 岳志 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (00422410)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / 転写 / 複製 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザウイルスは8分節のマイナス鎖一本鎖RNA(vRNA)をゲノムとして持つ。8種類のvRNAは各々、ウイルス核タンパク質NPおよびRNA依存性RNAポリメラーゼとともに二重螺旋構造を有するribonucleoprotein複合体(RNP複合体)を形成する。RNP複合体は、感染細胞の核内においてvRNAの転写・複製を担う。しかし、RNP複合体からmRNAおよびcRNAが合成されるメカニズムについては、明らかにされていないことが多い。例えば、mRNA合成およびcRNA合成がどのように制御されているのか、あるいはcRNA合成時あるいはmRNA合成時のRNP複合体がそれぞれどのような構造変化を示すのか(あるいは構造変化を示さないのか)など、全くわかっていない。そこで本研究では、RNP複合体の転写・複製機構の詳細を明らかにすることを目的とした。 申請者はこれまでに、精製RNP複合体を用いたin vitroポリメラーゼ反応を実施し、転写産物としてmRNAおよびcRNAが合成されることをRT-PCR法にて確認した。また、RNA合成が効率よく行われる条件を見出した。さらに、高速原子間力顕微鏡およびクライオ電子顕微鏡を用いてin vitroポリメラーゼ反応中のRNP複合体を観察するための条件検討を実施した。顕微鏡解析の結果、RNA合成中のRNP複合体が構造変化を起こしていることを確認した。興味深いことに、in vitroポリメラーゼ反応後、RNP複合体に結合している新規合成された転写産物には、複雑な2次構造をとるRNAとほとんど2次構造をとらないRNAが存在していることが明らかになった。今後はこれらのRNAがどのようなRNAなのかを解析予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでにRNA合成中のRNP複合体を観察する条件を決定し、その構造変化や転写産物を可視化することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はRNA合成中のRNP複合体の構造解析を詳細に進めるだけでなく、転写産物の同定を行う。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Influenza A virus nucleoprotein is acetylated by histone acetyltransferases PCAF and GCN5.2018
Author(s)
Hatakeyama D, Shoji M, Yamayoshi S, Yoh R, Ohmi N, Takenaka S, Saitoh A, Arakaki Y, Masuda A, Komatsu T, Nagano R, Nakano M, Noda T, Kawaoka Y, Kuzuhara T.
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Journal Title
J Biol Chem.
Volume: 293
Pages: 7126-7138
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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