2018 Fiscal Year Annual Research Report
配偶子凍結保存の増加と「ライフプラン」「ジェンダー観」の変化に関する学際的研究
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17H04096
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中塚 幹也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (40273990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟屋 剛 岡山商科大学, 法学部, 教授 (20151194)
菅沼 信彦 名古屋学芸大学, 看護学部, 教授 (30179113)
出口 顕 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (20172116)
宍戸 圭介 岡山商科大学, 法学部, 教授 (10524936)
小河 達之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助手 (10346421)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生殖医療 / 生命倫理 / 配偶子提供 / 配偶子凍結 / 代理出産 / 子宮移植 / 性的マイノリティ / ライフプラン |
Outline of Annual Research Achievements |
生殖医療の現場の研究者や医師などへインタビューを行うとともに,会議を行い,公開セミナーの計画をした.それに沿って,2018年7月7日(土),岡山大学医学部鹿田キャンパスで開催された第10回「生と死の倫理」セミナーにて,公開シンポジウム「様々な家族のカタチ:LGBTと家族形成」を開催することとした(西日本豪雨(平成30年7月豪雨)のため延期となり,実際には2018年12月22日(土)に開催).この中で,私達の実施した「LGBT当事者が生殖医療で子どもを持つこと」に関する全国調査の結果を報告した.また,全国養子縁組団体協議会代表理事でもある研究者から,里親,養子縁組,卵子提供,精子提供の事例をもとに,親子,パートナー,家族の多様性についての情報を収集,また,子どもを持つ女性との結婚により家族を作ることを希望しているトランスジェンダー男性(性別適合手術は施行しておらず,法的には,戸籍上の性を男性とすることができていない状況)からは,結婚を求めた裁判の状況や家族形成への思いを聞いた.さらに,研究分担者からも,法的立場,生命倫理的立場から,それぞれ報告を行い,参加者も含めて議論を行った.尚,当日のシンポジウムについては,動画コンテンツとして配信している. 国内の産婦人科医療施設の代表者の意識調査の内容を確定し,調査を実施した(現在,解析中である).また,日本国内,中国,韓国,ベトナムにおける質問紙調査結果の解析が終了し,学会での報告のため演題の登録を行うとともに,論文作成中である. 第20回GID(性同一性障害)学会において報告した性同一性障害当事者を対象に生殖医療に関する質問紙調査の結果を論文化した. これらの研究結果をもとに,性的マイノリティ(LGBT)当事者である子どもや学校関係者に向けて,ライフプランを立てるための教材となる冊子の増補版を作成し,配布を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー調査,質問紙による全国調査は順調に行われた.会議などでの情報収集を行うとともに,シンポジウムを開催して課題を整理するとともに,課題の存在について,社会への発信を行った.また,性同一性障害当事者の生殖医療の利用についての意識調査も実施した.また,性的マイノリティ(LGBT)の子どもがライフプランを立てることを前提に教材を増補,改訂した.研究は順調に進んでいると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,現在,行っている調査結果を解析するとともに,倫理的,法的課題をについて更に広く情報や意見を集める予定である.
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Research Products
(30 results)