2020 Fiscal Year Annual Research Report
新規再生促進因子に着目した肝硬変に対するエクソソーム医療の創生
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17H04166
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
稲垣 豊 東海大学, 医学部, 教授 (80193548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紙谷 聡英 東海大学, 医学部, 准教授 (30321904)
住吉 秀明 東海大学, 医学部, 講師 (60343357)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肝臓学 / 再生医学 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝硬変に対するエクソソーム医療の創生に向けた分子細胞基盤を確立するため、研究の最終年度となった2020年度はこれまでの研究により明らかとなったエクソソーム搭載OGFRL1の胎仔期肝前駆細胞ならびに成熟肝細胞に対する効果に基づいて、線維肝の再生にいかなる影響を及ぼすかをin vivoの系で検証し、以下の所見を得た。 1)マウスに四塩化炭素を反復投与して肝線維症を誘導し、この際の内因性OGFRL1の発現動態を末梢血単核球と線維肝組織を用いた定量PCRにより解析した。その結果、いずれにおいても肝線維化の進展に伴ってOGFRL1 mRNAの発現は低下した。 2)マウスのOGFRL1には、全長464アミノ酸からなるlong formと、そのC末端側の264アミノ酸からなるshort formの存在が示唆され、臓器や病態に応じて細胞内でプロセッシングを受け、異なる機能を発揮している可能性が考えられる。そこで、任意の蛋白質を内包したエクソソームを効率よく細胞から分泌させるXPackベクター・システムを用いて、その培養上清からlong form ならびにshort form OGFRLを搭載するエクソソームを精製した。 3)四塩化炭素の反復投与により作製したマウスの肝線維症に対して、これらのOGFRL1搭載エクソソームを投与した上で部分肝切除を行い、線維肝の再生に及ぼす効果を比較した。その結果、肝切除7日目における生存率は、対照の空エクソソーム投与群では37.5%、long form OGFRL1搭載エクソソーム投与群では25.0%であったのに対して、short form OGFRL1搭載エクソソーム投与群では88.9%と、short form OGFRL1の投与により有意に改善した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)