2017 Fiscal Year Annual Research Report
加齢に伴う障害応答性低下をもたらす三次リンパ組織形成の分子基盤の解析
Project/Area Number |
17H04187
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳田 素子 京都大学, 医学研究科, 教授 (70378769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 宏 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (00343228)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、高齢腎臓は若齢腎臓と比較して障害が遷延することに注目し、そのメカニズムの一端を明らかにしました。高齢腎臓の障害後には線維芽細胞がhomeostatic chemokineを産生する能力を獲得し、リンパ球を腎臓に呼び寄せることによって「三次リンパ組織」を形成し、炎症が遷延することで修復が遅延することを見出しました。さらに三次リンパ組織は、高齢ヒト腎臓でも高頻度に認められること、三次リンパ組織を標的とした治療法は高齢個体AKI後の炎症の遷延と修復の遅延を解除することを見出しましたが、その分子基盤は未解明でした。 本研究では、腎臓の構成細胞、血球、液性因子のいずれの老化が三次リンパ組織形成に寄与するかを解明するとともに、その責任因子の老化がもたらす機能的変容の本体を明らかにすることを目標としました。そのために、H29年度は、加齢マウスと若齢マウス間の骨髄移植および、加齢マウスと若齢マウスの血流を共通させる手法である並体結合の手法を用いて、腎臓の構成細胞、特に線維芽細胞、血球と液性因子が三次リンパ組織形成に果たす役割をそれぞれに明らかにしました。 以上の知見は、腎障害における三次リンパ組織を標的とした治療薬開発の一助となることが期待できます。 また、三次リンパ組織形成は、腎臓以外にも肝臓においても加齢に伴って観察されることから、本研究成果は、普遍的な現象である「加齢に伴う各種臓器の障害応答性の変容」のメカニズム解明に資すると期待できます。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H29年度は骨髄移植、並体結合の手法を用いて腎臓の三次リンパ組織に各細胞集団が果たす役割を詳細に明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は共培養系を用いて、各細胞集団の相互作用が三次リンパ組織形成を誘導するメカニズムを明らかにすることで、さらに詳細な分子基盤に迫ることが可能になると期待できる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] “Glucocorticoid receptor expression in resident and hematopoietic cells in IgG4-related disease”2018
Author(s)
Taku Iguchi, Koji Takaori, Akiko Mii, Yuki Sato, Yasunori Suzuki, Hajime Yoshifuji, Hiroshi Seno, Osamu Ogawa, Koichi Omori, Kazuhisa Bessho, Satoru Kondo, Tomokazu Yoshizaki, Hitoshi Nakashima, Takao Saito, Tsuneyo Mimori, Hironori Haga, Mitsuhiro Kawano, Motoko Yanagita.
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Journal Title
Mod Pathol
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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